2020年代初頭に
「自動運転」の請負サービスが開始

 楽しい家族旅行。その帰り道、高速道路は大渋滞。

 助手席の奥さん、後席の子供たちはスヤスヤと寝ている。

 そんな時、ドライバーのお父さんは嘆く。

「あ~、俺も寝たいよ。でも、少しでも早く帰りたいし。あ~もぉ~、誰が運転代わってくれよ!」

 こうした状況が、あと10年ちょっとで大きく変わる。

 お父さんは、車内の大型画面で、「オートパイロット」を発注する。行き先はすでにカーナビに登録済みの自宅だ。

 あとは、シートを倒して、お父さんもグッスリ眠れる。

 3時間後、「目的地に到着しました」という音声と共に、家族全員が目を覚ます――。

 あと10年ほどで、一般家庭のクルマでの全自動運転が現実化する。

 国土交通省は今年3月、一般自動車の自動運転の実用化に向けたロードマップを公開した。

 それによると、2012年時点で各自動車メーカーが、車の前後方向(加速と減速)、左右方向(走行レーンの維持や逸脱、危険回避)の自動化についてはすでに商品化している。今後は、前者について路車(道路側と車との通信)強調制御の実証試験を進める。後者については、現在は実施されていない操舵支援(自動的なハンドル操作)の実証試験を行う。そして、2020年代初頭ごろに、「オートパイロット」を実現するとした。また、こうした成果のデモンストレーションを、第20回ITS(高度道路交通システム)世界会議(2013年10月14~18日)で実施する。