それを“お調子者”と呼ぶのかどうかはわからないが、人によって態度をころころ変えるやつがいる。

 露骨なやつは、一目置いているやつに見せる態度と、たとえ年長者でも、ナメてかかっているやつとでは態度があからさまに違う。こういうやつは、得てして、自分によくしてくれる人には犬のように従順だが、厳しいことを言う人には反抗的になりやすい。

 この人を怒らせると怖いかも、と思っているやつにも逆らわないのだが、あなたの周りにもいないか、そういうやつ。

 ときおり、鬱陶しく思えるほどに懐いてくるやつがいて、何なんだこの懐き方は、と思いながら様子を見ていると、どうやら“庇護”がほしくて懐いているらしい、とわかるやつもいる。

 何かお手伝いできることはありませんか、いつでもお声がけください――、と心証を良くするためのアピールは一丁前なのだが、では何ができるかと言うと、困ったことに、たいした働きもできないやつだったりするから手に余る。

 こんなふうにすり寄ってくるやつというのは、ただ認めてもらいたかったり、みんなの前で褒めてもらいたいだけなのだ。でなければ、力のある者のそばにいて、虎の威を借りたいかのどちらか。

 魂胆が丸見えで、あまりにも鬱陶しいものだから追い払うと、すぐにスネたり、周囲に取りなしてもらうよう訴えたり、それでも思うようにならないと、反旗を翻す。

「あからさまだな、あいつ」

 周囲が言う。何もわかってねえな、あいつはと。

「あっちこっちで愚痴をこぼしてるらしいぞ。最近××が素っ気ないとか、冷たいとか」

 伏せ字には私の名前が入るみたいです。