面接の限られた時間でも、自分が成長できる会社かどうかをある程度、判断することは可能です。面接の限られた時間でも、自分が成長できる会社かどうかをある程度、判断することは可能です Photo:PIXTA

今春の新入社員は、自らの成長が期待できるかどうかで企業を選択していることがわかった。しかし、それを見極めることは容易ではない。過去の演習経験から、見極めのために最も効果の高い5つの観点を紹介したい。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

規模や年収ではなく
自身の成長を重視して就活

 2019年卒業の大学生、大学院生を対象に「就職先を確定する際に、決め手になった項目」を聞いた調査で、「自らの成長が期待できる」という理由が47.1%とトップだった(就職みらい研究所「就職プロセス調査」)。

 それも、次点の「福利厚生や手当が充実している」を10ポイント近く引き離しての、ダントツのトップだ。「会社・団体の規模が大きい」(13位、14.3%)、「年収が高い」(8位18.4%)という理由をはるかに上回っており、規模や年収ではなく、自身の成長を重視していることがわかる。

 しかし、その企業が自分の成長に役立ちそうかどうかを見極めることは容易ではない。HPや会社案内の採用に関するページには、たいてい教育体系が紹介されているが、それだけで自己の成長が実現できるかどう見当がつかないものだ。

 この調査結果で、「教育・トレーニング環境や研修制度が充実している」という回答が10位、16.0%にとどまっているのは、既存の研修で成長できるという期待は持っていないことを示しているように思える。

 では、自己を成長させることができる会社かどうか、どのような観点で見極めればよいのだろうか。20年来、能力開発演習を実施してきた経験と、その後のビジネスパーソンの成長傾向を踏まえると、5つの観点がある。