ボストンコンサルティング社長として名を馳せたビジネス界きっての読書家が、どう読書と向き合ってきたか、何を得てきたか、どう活かしてきたかを縦横無尽に語り尽くす。
自分を高める教養と洞察力が身につき、本を武器に一生を楽しむ、トップ1%が実践する『できる人の読書術』を説き明かす。

二流から一流へ成長する読書術

一流と超一流の差は
「洞察力」のあるなし

私が著した『できる人の読書術』では、「できる人」や「一流」にとどまらず、
「超一流」まで到達できる方法を述べている。
ならば超一流とは、一体どんな人物なのかを初めに定義しておくべきだろう。

その前にまずは一流と二流の区別からしておこう。

二流と一流の差は、「教養」があるかどうかにある。
二流には、にわか仕込みの知識はあったとしても、
それが教養のレベルまで昇華されていない。

世の中には知識をあり余るほど蓄えているのに、教養が乏しい人がとても多い。
テレビのクイズ番組で全問正解する物知りが、必ずしも教養があるとは言えない。

次に一流と超一流の差はどこにあるのか。
それは「洞察力」があるかないかにある。

いまの一流の人間にかけている能力は、この洞察力だと私は思っている。
どんな勉強家でも読書家でも、洞察力がなければ“一流止まり”である。
勉強家で読書家で、そのうえに洞察力があれば、超一流の仲間入りが叶うのだ。

終身雇用と年功序列を基盤とするバブル期までの日本企業なら、
教養に乏しい二流のビジネスパーソン(その頃の言い方でいうとサラリーマン)でも、
騙し騙し何とかやっていけた。
日本企業にも、まだ二流を雇っておけるだけの体力があったからだ。

しかし、2008年のリーマンショック以降、
日本企業には基礎的な体力がなくなり、
教養を持たない二流の人材はリストラの憂き目と背中合わせになっている。
いまはまだ現状維持できているとしても、
さまざまなことが短期間で目まぐるしく変化しているこの時代、
ほんの数年後でもわかったものではない。