なぜ、優れた上司の電話は聴いているだけで成長できるのか写真はイメージです Photo:PIXTA

拙著、『知性を磨く』(光文社新書)では、21世紀には、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つのレベルの知性を垂直統合した人材が、「21世紀の変革リーダー」として活躍することを述べた。この第65回の講義では、「技術」に焦点を当て、拙著『人は、誰もが「多重人格」 − 誰も語らなかった「才能開花の技法」』(光文社新書)において述べたテーマを取り上げよう。

優れた上司から学んだ「リーダーシップ人格」

 本連載では、自分の中に眠る様々な「才能」を開花させるためには、自分の中にある様々な「人格」に気がつき、それを意識的に表に出すことの大切さを述べてきた。

 そして、この様々な「人格」のうち、プライベートな世界ではすでに表に出している「表層人格」を仕事の世界で活用する技法として、「仕事のできる人」が、仕事でどのように「人格」を切り替えているかを、観察する、という技法について述べ、特に、優れた経営者や起業家、マネジャーやリーダーの「かばん持ち」をするという技法についても、紹介してきた。

 しかし、それが、すでに表に出ている「表層人格」であるならば、少しの工夫と努力で意識的に表に出すことができるようになるが、それが、まだ表に出ていない「深層人格」のときは、どうすればよいのか。どうすれば「深層人格」を表に出すことができるのか。