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週刊・上杉隆

小沢幹事長による陳情一本化が、
日本の利権政治を変える可能性

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第103回】 2009年11月26日
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 民主党が陳情窓口を党に一本化することを決めた。

 11月初旬、小沢一郎幹事長が党役員会で方針を決定し、所属国会議員に伝えた。

 この発表を受けて、新聞・テレビなどのメディアは、小沢幹事長の隠された政治的意図を読み取ろうと必死だ。

 産経新聞によれば、今回の陳情の一本化によって、小沢幹事長に権限が集中し、党全体の支配を許し、最終的にすべての利権を独占すると警告を発している。

 だが、果たして本当にそうなのだろうか。小沢氏が自民党幹事長だった当時ならばまだしも、陳情業務にそれほど旨味のない現在では、利権の集中は考えにくいのではないか。議員秘書経験のある筆者からしても、産経新聞のような単純論には首をひねらざるを得ない。

 とはいえ、検証は不可欠だ。小沢氏の考える新しい陳情方式を、筆者の秘書経験から分析してみよう。

従来型の個別陳情を廃止し
小沢氏の組織委員会に集約

 陳情の多くは国会議員事務所、とりわけ地元事務所にまず寄せられる。有権者からの要望は地域によって異なる上に、陳情の種類も千差万別である。地域の事情に詳しく地元に根を張った選挙区担当秘書たちが窓口となる。

 ルートとしては、市町村議員から上がってくるもの、あるいは都道府県議員を経由してくるもの、場合によっては各種業種団体などから直接、地元秘書に陳情されることもある。

 そうした中で国政に関係する陳情のみが吸い上げられ(地方案件は地方議員に振ることになる)、重要度の高いもの、地元だけでは処理できないものを東京事務所(国会事務所)に上げる。

 これまでならば、国会担当秘書がそれを集約し、霞が関に対する要望として働きかける。直接、官公省庁の担当部署の役人に連絡を取ることもあれば、参議院内の国会連絡調整室に話を通す場合もあり、あるいはまた、個別分野に強い議員事務所(族議員)に陳情を回すこともあった。

 だが、小沢方針では、そうした個別陳情をすべて廃止するというのだ。

 どうするかというと、議員の各地元事務所は陳情や要望を、各々の国会事務所ではなく、各都道府県連に集約する。陳情を受けた都道府県連は、党本部の組織委員会宛に案件を送付するが、仮に陳情になじまない、判断が難しいとなった事案のみ、党本部幹事長室に相談できることになっている。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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