デイブ・マクルーア氏とポール・グレアム氏500スタートアップスの創業者であるデイブ・マクルーア氏(左)とYコンビネーターの創業者であるポール・グレアム氏。シリコンバレーのスタートアップコミュニティーへ多大な貢献をした Photo:Bloomberg/gettyimages

「サンフランシスコ49ers(フォーティーナイナーズ)」は、シリコンバレー近辺を本拠地とする人気プロフットボールチームだ。49ersの由来は、1849年に金を求めてカリフォルニア州に人々が殺到したゴールドラッシュ。西海岸の辺境の地が現在のような豊かなカリフォルニア州(ゴールデンステート)となるきっかけになった。

 ただ、ゴールドラッシュでは、最終的に金を掘り当てた人はわずかだった。一番もうけたのは、採掘の作業着を提供したジーンズ会社だったといわれている。

 今、多くの日本企業の間で「オープンイノベーション」活動が起こり、シリコンバレーに殺到しているが、その様はまるで現代のゴールドラッシュだ。

 忘れてはいけないのは、シリコンバレーに乗り込んだ企業の最終的な目的は、金を掘り当てることだということだ。かつてのように、ジーンズ会社をもうけさせてばかりではいけない。

 だが実際には、ゴールドラッシュに巻き込まれた日本企業の多くが、ジーンズ会社を潤すことに貢献しているようだ。

 あるシリコンバレー進出企業の担当者からは、次のような声が聞こえてくる。