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守りと攻めの「両利きの経営」が、
日本企業の未来を拓く

内山悟志[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]
【第90回】 2019年3月15日
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デジタルイノベーションへの力点

 デジタルイノベーションの具体的な推進にあたって、どのような分野を対象とするかの見極めが非常に重要となる。デジタル技術を活用することでビジネスや業務をどのように変革するのかを明確に方向づけるためには、まずはイノベーションの対象領域を明確に定めることが求められる。

 デジタルイノベーションが目指すゴールはAIなどの先端技術の導入でもなければ、ましてや実証実験をすることでもないはずであり、どのビジネスや業務をどのように変革するのかを明確に方向づけることが求められる。イノベーションは、技術的な発明や発見だけではなく、生産方式、販売方法の革新や、顧客に対する新たな体験の提供を含んだより広範な概念であり、その対象領域も多岐にわたる。

 まずは、提供する価値と事業・顧客層の観点からイノベーションの方向性を見定めることが推奨される。従来の提供価値と新規の提供価値、従来の事業・顧客層と新規の事業・顧客層の2軸で構成されるポートフォリオで整理すると、4つの象限にはそれぞれ異なるイノベーションの方向性が見えてくるはずだ(図1)

 ポートフォリオの4つの象限のそれぞれにおいて、イノベーション創出の進め方や着眼点は異なるため、対象とする領域を定めたうえで具体的なアイデア出し、体制の構築、推進プロセスの決定を行わなければならない。特に、図の左側の「深化」の領域と、右側の「探索」の領域では、求められる組織能力や企業文化が異なる点にも注意が必要となる。

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内山悟志[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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