シリーズ累計17万部を突破し「ホワイトカラーの労働生産性を劇的に向上させる1冊」と大評判の『アウトルック最速仕事術』(ダイヤモンド社)。著者の森新氏によると、アウトルックの導入企業では、エクセルやパワーポイントよりもはるかに多い「年間平均500時間」をアウトルックだけに費やしているという。しかし、その実践的なスキルをまとめた書籍はこれまでなかった。本連載では、大手企業も続々取り入れている「たった90分で年間100時間の時短ができる」と話題沸騰のセミナーのノウハウをお伝えしていく。(本記事は2019年3月28日の記事を再構成したものです)

なぜ、「アウトルック作業」を時短するという発想がこれまで日本になかったのか?Photo: Adobe Stock

アウトルックの技術でビジネスの生産性がアップする

「日本の生産性を上げるには、アウトルックスキルの向上が不可欠だ」

 初挑戦した社外での講演で、私はこう確信しました。「ちょっとオーバーなのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、多くの企業でアウトルックが使われていることを考えると、これは決して大げさではありません。

 マイナビによる「会社のメーラー、何を使ってる?」という調査によると、1位はアウトルック(38.7%)で、2位のGmail(16.0%)と比べると2倍以上のシェアがあります。アウトルックスキルが向上すれば、約4割の企業で生産性の向上が図れる可能性があるわけです。

『アウトルック最速仕事術』巻頭付録「ショートカットキー」キーボード早見表『アウトルック最速仕事術』巻頭付録「ショートカットキー」キーボード早見表 拡大画像表示

 アウトルックには、企業内のほぼ全員が利用するという特性があります。この点が、エクセルやパワーポイントなどと大きく違います。多くの企業では、管理職になるとエクセルでの分析業務が減り、調整や判断業務が増える傾向があります。このため管理職がエクセルスキルを磨いても生産性が大きく向上するとは考えられません。

 一方で、コミュニケーションツールであり、スケジュール管理ツールでもあるアウトルックは管理職を含めて全社で利用します。アウトルックスキルが向上すれば、企業の管理職から新人までほぼ全員の生産性が向上するはずなのです。時短や生産性向上に寄与するスキルとして、これ以上の効果を持つものがほかにあるでしょうか。私は自信を持って「ない」と言えます。

 初めて行った社外講演では、受講者から次のような感想をいただきました。

「アウトルックでこんなに時間を失っていたのかと驚いた」
「アウトルックが、こんなに時短のポテンシャルを持つなんて考えたこともなかった」
「マウスを使わずにこんなに素早く、幅広い操作が可能になるとは目からウロコ」
「このノウハウを全社で共有したい」

 この講演を行った時点では、私は自分が培ったノウハウが自社以外でも通用するものなのか自信がなく、内容もブラッシュアップされていなかったので、このような声に驚きました。

 これまで誰もアウトルックスキルにスポットライトを当てていないことに改めて気づいた私は、ここに日本の生産性を上げるチャンスが残されているはずだと考えました。そして、講演のたびに受講者が何に困っているかをヒヤリングし、どうしたらそれを解決できるか模索してきました。

 本書では、このようにして得られた知見をより多くの方と共有できるようにわかりやすく解説しています。

 なお、本書では、ウィンドウズ版のアウトルックの操作についてお伝えします。マック版のアウトルックは操作方法・仕様が異なりますのでご注意ください。

★著者インタビュー「だから、この本。」★
第1回 オフィスワーカー全員が「脱マウス」すれば、日本の生産性は急上昇する
第2回 なぜ、よく使うショートカットキーは“キーボードの左側”に集約されているのか?
第3回 エクセルで発覚! 仕事が「できる人」と「できない人」を隔てる決定的な差とは?
第4回 “Ctrl”や“Shift”ってそういう意味だったのか! 話題の「ショートカットキー記憶術」が抜群に役に立つ理由