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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

窮地のGMが最後の大勝負
次世代車戦略の全貌と行方

週刊ダイヤモンド編集部
2008年8月28日
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深刻な経営危機にある米ゼネラル・モーターズ(GM)が最後の大勝負に打って出る。2009年以降、次世代ハイブリッド車を相次ぎ投入し、小型低燃費車へのシフトを加速させる計画だ。遅ればせながら乗り出す構造改革で、北米市場の減速が続くなか、再建を果たすことは本当に可能なのだろうか。

 デトロイト郊外にある米ゼネラル・モーターズ(GM)テクニカルセンター。数々の名車を送り出してきた“アメ車”の聖地が今、最後の力を振り絞り、“日本車キラー”の開発に血眼になっている。

シボレー・ボルト
2007年の米デトロイトモーターショーで発表された「シボレー・ボルト」のコンセプトカー 写真提供/ポール・アイゼンスタイン

 クルマの名は、「シボレー・ボルト」。環境対応や低燃費のイメージで先行するトヨタ自動車など日本車メーカーにどうすれば対抗できるのか――。この四半世紀、GMの歴代トップを悩ませてきた命題に対してリチャード・ワゴナーCEO以下の現経営陣が行き着いた答えの一つである。

 ボルトはガソリンエンジン駆動の小型車でもなければ、エンジンと電気モーターを併用するトヨタの「プリウス」のようなハイブリッド車とも厳密には異なる。

 エンジンと電気モーターを搭載している点は、プリウスと同じだが、動力源はあくまで電気。エンジンは、電池に蓄えた電気が足りなくなったときに始動する充電用の存在にすぎない。エンジンによる充電のほか、家庭用電源でも充電できるため、“プラグイン・ハイブリッド車”と呼ばれるが、実際の仕組みは電気自動車に近い。

 このクルマ、じつは米国の規制当局者や環境問題専門家のあいだでの前評判は意外なほど高い。

 特に評価されているのが、競合他社の類似車に比べて長い走行可能距離だ。家庭用電源で6時間充電すれば、40マイル(64キロメートル)。ガソリンタンクを満タンにして発電に使うと、360マイル(580キロメートル)まで走行が可能だ。エンジン発電も併用した場合の燃費は1リットル当たり21キロメートル以上になるという。

 すでに路上走行試験も実施中で、早ければ2009年秋にも量産に入る予定だ。販売価格は中型車並みを目指している。ちなみに、GMが現在、大型車の「ハマー」ブランドを売却する方向で買い手を探していることは公然の秘密だ。「(ハマーとの決別と)ボルトの投入で2009年以降、GMのイメージを大胆に変えてみせる」と同社幹部は必死の覚悟を語る。

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