商品を仕入れてきて各店舗に配送する「商品部」、店員・店長を統率して店舗を運営する「営業部(後の店舗運営部)」、会社全体を数字で管理する会計思考の総元締めである「管理部」、出店場所を見つけて契約し店舗を設計・出店する「出店開発部」の4つの部門を中心に配置していきました。これが後に多店舗展開していくための4本部体制を敷く基礎になりました。

【図表1】は1990年9月当時のユニクロの組織図です。普通の組織図とはちょっと違います。部門名、職務名(チーム名)の下には業績評価時の対象となる数字と職務の目的を書き、さらにその下に部長やリーダー、担当者の名前を書き入れていきました。

ユニクロの急成長を支えた会計の土台づくり

 組織図というのは、経営戦略を機能別に解き明かした説明書なのです。この組織図は、現在でも実務で十分使えると思います。

 組織図を作る過程で、チラシを作る人をどの部門に入れるのか、新しい店舗を作りオープンするまでの担当者をどの部門にぶらさげるべきか、などいろんな問題が出てきました。どの部長の下に置けば、指揮命令がうまく伝わるかを考えます。もともとすべての人が柳井社長中心に同心円状に並んでいたのですが、少しずつ組織らしくなっていきました。