株式レポート
6月6日 18時0分
マネックス証券

ようやく下げ止まった米国株〜今後のシナリオ〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・昨日(6月5日)の米国株市場では、先週大きく下落したダウ平均株価が5日ぶりに小反発した。5月分のISM非製造業景気指数が、事前予想よりも良かったことが好感された。先週から米経済指標の下振れが続いていたが、その懸念がやや和らいだ格好である。

・ただ、昨日の景況感指数は、大きく低下した4月対比でほぼ横ばいで、企業の景況感が改善に転じているわけではない。調査項目の中身をみると、雇用に関する判断が前月から低下しているのが目立つ(グラフ参照)。雇用統計などが労働市場の減速を示していたが、新規採用を手控えるなど、企業行動が慎重になっていることを示す結果である。


6月4日レポートで、4,5月の雇用統計の減速が過去2年のパターンを似ていることを紹介した。一方、米国の個人消費や企業景況感などは、雇用統計ほどは明確に減速していない指標がある。これをどうみればよいか?

・実際には、2月まで好調だった新車販売の勢いが鈍るなど、春先から個人消費が減速する兆しがある。欧州や新興国の停滞が米国に及んでいるとみられ、底堅さを保っている経済指標についても昨年同様に鈍化するとみられる。「米国株下げ止まり」の条件の一つである(6月4日レポート)、経済指標悪化に歯止めがかかるには、しばらく時間を要すると思われる。

・一方ギリシャの再選挙を前に、市場の混乱は続いているが、目先、欧州当局による政策対応によって大きく動く展開がありえる。具体的には、欧州中央銀行(ECB)による金融緩和・流動性供給策(本日ECB理事会が行われる)や、スペインの銀行の資本不足解消策、が挙げられる。

・2011年年末に、ECBによる大量の流動性供給(LTRO)によって、イタリア、スペインの国債金利が低下し、市場の不安が一旦収束した。ただ現状、スペイン大手銀行の資産劣化・資本不足が明らかになっている。このため、仮にECBの金融緩和などで流動性が供給されても、それだけで銀行の資本不足懸念は払拭されないだろう。

・市場が落ち着くには、金融緩和策に加えて、スペインの銀行の資本不足を解消する欧州諸国の支援による資本増強策の実現が必要になる。これらが出揃えば、短期的なリバウンドも期待されるが、可能性は高くないだろう。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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