仕事を細分化して定量情報を加える


1.仕事の内容を細分化する

 例えば、1人で行える単純作業の場合は、作業内容が定型的に決まっているので、マニュアル化したり、作業手順書を作ることで、業務工程の手順を明確にします。

 また、複数のビジネスパーソンが共同で行う複雑なプロジェクトなどのケースは、プロジェクトをステップごとに区分し、そこからそのステップの内容をさらに細分化することで、それぞれの工程を区分・細分化します。

 要するに、難易度や業務量の大小に関係なく、細分化できる限り、仕事内容を細かく区分することがここでは大切です。


2.細分化した仕事に対して、定量情報を加える

 あるプロジェクトがあったとします。一見「プロジェクト」と聞くと、その詳細は業務内容の羅列で、定性情報ばかりのビジネスプロセスかと思われます。しかし、そのプロジェクトを大きく10段階の工程に分けて、各進捗率を10%、そして毎月1工程を経て、10ヵ月で完成する納期に設定し、毎月の工程で発生する予算は100万円としたらどうでしょうか?

 1ヵ月ごとに10%ずつ進捗しているかどうか? 予算は毎月100万円までに収まっているかどうか? というように定量情報を加えて、評価基準が明確になることで、達成率や進捗管理、業績評価などが可能になります。

 また、社内マニュアルなどの情報についても、同様です。

 マニュアル内に番号や作業順番などの数値情報を入れたり、それぞれの作業の習得標準時間などの目安時間を入れることで、新入社員がどの段階までマニュアルを理解しているのかがわかります。例えば、10工程のうち、8工程を習得しているので80%の習得率と表現できるようになります。

 また、標準時間通りに習得できているかどうか、どの工程で習得するのに時間がかかっているかも数値で判断できるようになります。

 これらの2段階を通じて、100%定性情報だったものを、少なからず、ビジネスプロセスの単位においては、定量化できるようになります。

 また、定性情報だけの場合、情報を発信する側と受信する側で、認識のギャップが生まれがちです。しかし、定量情報を加えることで、目標設定も曖昧な表現ではなく、第三者が聞いても理解できる客観的なものとなる点が特徴です。

 少し余談になりますが、このように定性情報に定量情報を加える習慣がつくと、プレゼンや商談・社内会議などでも非常に便利です。

 プレゼン相手に対して、PRすべき要素をダラダラと話すより、「今からお話しする要点は3点です!まず1点目は~」と話すことで、聞き手となる相手側にとっての理解度が高まりやすくなります。