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アスベスト対策で進められる
測定機導入に潜む“怪しい”思惑

週刊ダイヤモンド編集部
2012年6月11日
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東日本大震災の被災地で問題化しているアスベストの飛散。その対策強化を図ろうと、現在、法改正が検討されている。だが、その水面下で、さしたる効果が期待できない測定機の導入が進められているというのだ。しかもその背景には、さまざまな思惑が交錯している。

環境省が目指すリアルタイムモニターの公定法への導入に、検討会開始前から批判の声が上がり始めている。
Photo:JIJI

 「石綿飛散防止で法改正」

 5月16日、新聞各紙にこんな見出しが躍った。環境省が、2013年にも大気汚染防止法改正を目指し、アスベスト対策強化に乗り出すことを報じたものだ。

 記事では、現在、任意とされているアスベスト濃度測定の義務化や、解体現場への立ち入り権限強化といった、改正のセールスポイントが好意的に報じられていた。

 だが、この動きは「表面的なものにすぎない」との指摘がある。同省と厚生労働省が共同実施する「東日本大震災アスベスト対策合同会議」などで委員を務める、元兵庫県立健康環境科学研究センター主任研究員の小坂浩氏が明かす。

 「もっともらしい説明をしていますが、それはごく一部にすぎません。国側の本当の狙いはリアルタイムモニターの導入です」

 アスベストの測定は現在、ポンプで一定時間吸い込んだ空気をフィルターに通し、位相差顕微鏡でそのフィルターを見て一定の形状や大きさの繊維状粉じんをアスベストとして計測している。

 つまり人が顕微鏡で見て、アスベストかどうかを判断している。そのため、結果が出るまで数時間から数日間を要する上、分析する人によって差が出ることがある。

 そこで、空気中の繊維状粉じんを自動測定し、常時その計測値を見ることができるという測定機「リアルタイムモニター」を導入しようというのだ。

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