今、中古マンションに熱い視線が注がれています。新築マンションの価格が高騰し過ぎて、手に届きにくくなっていることから、消費者の目がにわかに中古物件に向いているからです。1月16日に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の日下部理絵さんは、これまでに1000棟以上の物件を見てきたマンション管理のプロフェッショナル。日下部さんいわく、中古マンションは「値下がりしにくい価値ある物件」を選ぶのが賢い選択とのこと。では、どんな物件を選ぶのがいいのか? そのポイントをわかりやすく解説します。

2000年代の中古マンションには、<br />どんな特徴があるのか?

防犯面の充実が図られてきた時代

 2000年代に入ると、マンションにはどんな変化が表れてきたのでしょうか?

 まず、床スラブの標準が18cm~20cmになりました。

 また、近年のマンションを選ぶ理由の一つでもある防犯面への充実が図られてきます。

 さらに、2003年7月の建築基準法の改正によって、換気設備の設置が義務付けられました。住宅全体のシックハウス対策として「計画的な換気」が必要となったのです。

 これらの背景を受け、24時間換気や浴室乾燥機も普及するなど、基本性能が向上していきます。

 また、1990年代後半からの流れを受けて、本格的な「大規模開発・超高層タワーマンション」ブームが到来します。東京都港区、中央区、品川区、江東区の湾岸沿いであるベイエリアに多く供給されました。

 これらの大規模プロジェクトやタワーマンションでは、基本性能が向上していることを受け、通風や採光よりも眺望が求められていました。

 そのため、眺望を楽しむような一見いびつとも見える間取りのマンションも多く存在しています。