FRBPhoto:PIXTA

 トランプ大統領が、米国の金融政策を担う連邦準備制度理事会(FRB)に対する政策批判を一段と強めている。

 ツイッターを活用したパウエルFRB議長についての言及も、利下げや量的緩和の再開といった具体的な措置を求めるものにエスカレートした。

 欠員のままのFRBの理事ポストに、スティーブン・ムーア氏やハーマン・ケイン氏といったトランプ氏の経済政策の信奉者を候補として指名する動きも具体化している。

 もちろん、これらの候補者が任命されるには議会上院の承認が必要なので、最終的な決着には不透明な面も残るが、金融市場やメディアの間では、大統領の一連の行動で、金融政策の独立性が危機に直面しているとの懸念が強まる。

強まる大統領の緩和圧力は
「予想の範囲内」?

 最近のトランプ大統領のエスカレートに、筆者もこうした市場やメディアの「懸念」は理解できる面はある。だが、こうした展開は多かれ少なかれ予見可能だったと言えるようにも思う。

 第1の理由は、トランプ大統領の主張が全く根拠の無いものとも言えないからである。