年間売上高2880万円、売上原価920万円、人件費1050万円、家賃240万円、減価償却費とリース料290万円、その他諸経費300万円。この損益構造で80万円の利益が出ています。税金を払ったらわずかしか利益は残りませんね。

【図表2】のとおり固定費と変動費を区分して計算すると、このラーメン店の損益分岐点は年間2729万円と算出できます。月平均にすると227万円です。

損益分岐点を見れば一番ムダなものが分かる

 この数字は、この店の平均客単価である800円のラーメンを、月々2843杯(2729万円÷12ヵ月÷800円)売ると達成できますが、それ以下だと利益が出ません。月27日間営業とすると、1日当たり105杯以上売る必要があります。これなら目標設定がしやすいです。

 店の立地、曜日や時間帯によっても客の入りは異なるでしょうし、単価の高いラーメンや酒類が多く出た日は、いつもより早めに損益分岐点を超えることでしょう。開業から1年経った時点で、それから1年後、2年後までの毎月、毎週、毎日の目標売上高を作ってみて、実績値と比較してみましょう。きっとやる気が出ます。

(本稿は『強い会社をつくる会計の教科書』安本隆晴著からの抜粋です)
 


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