株式レポート
6月12日 13時48分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

第17回 相場の景色を変えるには - 広木隆の「投資の潮流」

筆者がマネックス証券に入社したのは2010年9月1日。その時の日経平均は8,000円台後半だった。チーフ・ストラテジストに就任して初めて書いたレポート「日本株式市場展望」では、「今後、日本株は上昇するだろう」として、その理由を以下の通り挙げた。世界中が金融緩和に向かうこと、バブル的水準に膨らんだ債券相場が早晩終焉を迎えること、過剰流動性が株式市場を押し上げること、業績改善度合いと比べて株価が割安に放置されていること、などなど。「買うべきマネーがあふれ、買われるべき株価が割安に放置されているのに、不安心理から手が出せない状況だ」「不安心理の後退とともに株式市場に投資資金が流入するだろう」と述べた。

これはまったく現在と同じ状況ではないか。われわれが同じ相場の景色を目にするのは今回に限ったことではない。これまで筆者は「デジャブ(既視感)」と題するレポートを書いたり、「去年書いたレポートを日付だけ今年のものに変えて使いたい」などと言ったり、度々相場の過去との類似性を指摘してきた。それもそのはず過去2年の日経平均は下値8,000円台、上値10,000円台のレンジ内を往ったり来たり。どこを切っても同じ絵が出てくる金太郎飴だった。

かたや米国のダウ平均は2年前の10,000ドルから基本的には右肩上がりに推移して、先月の初めには13,279ドルと4年ぶりの高値をつけた。もう少し長く、過去5年ほどの株価推移を比較すると、彼我の差は歴然である。2007年の高値からリーマンショックで急落したこと、2009年3月に底値をつけたことは同じであるが、そこからの戻り方がまるで違う。ダウ平均は前述の通り、史上最高値まであと1,000ドル程度に迫る13,000ドル台まで上昇。リーマンショック後の安値からほぼ倍になっているのに対して、日経平均は、これも前述の通り、低空飛行の横ばい推移だ。東証株価指数(TOPIX)に至っては、09年3月につけたリーマン後の安値も下回り、バブル崩壊後の安値を更新した。その背景はこちらのレポートに詳しく述べたのでご参照いただきたい。

問題は「これからどうなるか?」である。状況が変わらないで同じなら、結論もまた同じである。すなわち「不安心理の後退とともに株式市場に投資資金が流入するだろう」。スペインへの金融支援が決まった。ギリシャの再選挙という不透明要因は控えているものの、欧州債務問題の大きな懸案事項に対してひとつのアクションが決定されたことの意味は決して小さくない。にもかかわらず市場の動揺は収まらない。市場は臆病であると同時に貪欲である。もっと大胆な政策を要求しているからである。より一段と踏み込んだ政策に対する催促相場になっている。追加の金融緩和が必要、追加の支援策が必要と言っているようなものだが結局は「カネを出せ」と要求しているわけだ。こうなったら、世界中に「カネ」をばらまき、溢れさせることでしか、市場を黙らせることはできないように思われる。だから、紆余曲折はあるにせよ、最終的には過剰流動性相場になるだろう。

楽観論のように聞こえるかもしれないが、筆者はそれほど明るい見通しを述べているつもりはない。ここからは戻すと思うが、大きな状況の変化がないのなら、上値もまたレンジ相場の上限、10,000円台程度までしか見通せないからだ。このボックス圏を抜け出すには、もっと根本的なファンダメンタルズの変化が必要と考える。いや、変化そのものは先でいい。変化への「希望」が必要だ。10日付の日経新聞「春秋」は村上龍の小説「希望の国のエクソダス」から言葉を引いて日本の閉塞感を表した。「この国には何でもある。だが、希望だけがない」。日本株相場にとって一番必要なものだと思う。




(チーフ・ストラテジスト 広木隆)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

11月号9月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株で1億円を目指す銘柄!今買う10倍株】
今後1年の日経平均の高値&安値を大予測
株で1億円を目指す10倍株ベスト67
・買い&売りをズバリ!人気株500診断
別冊付録!上場全銘柄の理論株価
・10年先を見通す10倍株
つみたてNISAのオトクな使い方

・買いの高配当株&優待株ベスト14
3万円以下で買える株ベスト9
・成長余力が大きい
有望IPO株
長期で値上がりを狙う厳選投資信託18本

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! クレジットカードに関するクチコミ情報大募集中!