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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の18「人は皆、聞くに早く、語るに遅く、
怒るに遅くなければなりません」
(新約聖書ヤコブの手紙第1章19節)
抜擢人事をされたらどうする?

江上 剛 [作家]
【第18回】 2012年6月19日
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 6月4日付けのアエラが面白い特集をしていた。「抜擢人事」の天国と地獄というタイトルで、抜擢人事された人の苦労を特集しているのだ。

 特集のリードには『管理職に就きたくないという人が増えている。自分だけが早くその職に就き、愚痴をこぼし合う仲間もいない中で成果を期待される「抜擢」なら、嫌がる人はさらに増えるだろう。与えられたチャンスを生かすには、どうすればいいのか』とある。

 世の中のサラリーマンは、とにかく他人を出し抜き、出世を競っているものと思っている人には驚きの特集だ。出世したくないのだ。というよりむしろ出世してしまった結果に大きな後悔をしているという現実が世の中にあるのだ。

 特集には事例が挙げられており、若くして管理職になったものの、年上の部下を使うことができず鬱病状態になっていくサラリーマンが登場し、笑えない。

傾聴という態度

 しかし、会社は、年功序列より実績主義、成果主義にカーブを切ってしまった。それに組織の活性化には若手を登用するに限ると思っているトップも多く、抜擢人事はこれからも増えるだろう。抜擢されて不幸にならないためにはどうすればいいのか。

 キリストの弟子ヤコブが信者に書いた手紙の中にこんな言葉があった。

 「人は皆、聞くに早く、語るに遅く、怒るに遅くなければなりません」。

 ヤコブはこの言葉に続けて「怒りにかられる人は、神のみ心を行う者ではありません」という。

 人という者は、とかく結果や成果を早く求め過ぎる。お母さんが、子どもに「あれやった?あれは?早くして」と、口癖のようにいうようなものだ。そうすると子どもは反発して「うるせぇ、ババァ」ということになる。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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