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米国株は1ヶ月振りの水準〜ギリシャ再選挙後に期待?〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・昨日(6月14日)の米国市場で、ダウ平均株価は155ドル高と大きく上昇、約1ヶ月ぶりの水準まで戻ってきた(グラフ参照)。米FRBによる金融緩和への期待に加えて、ロイター社による「主要中央銀行は市場の安定化と信用収縮の阻止に向け、流動性供給策を講じる用意がある」との当局者の発言が伝わったことが好感された。


・2011年11月30日にも、同様に日米欧6中銀によるドル資金供給策が行われた(2011年12月1日レポート参照)。当時も欧州債務問題で市場は揺れ動いていたが、これをきっかけに政策発動が続き、少しずつ市場は落ち着きを取り戻した経緯がある。この先例から、週末のギリシャ再選挙後に、当局による政策が繰り出されるという期待が強まった。

・もちろん、各国中銀による流動性供給策は金融不安を和らげるが、これだけで市場のリスク回避モードを変えるには物足りないだろう。2011年末に、ECB(欧州中央銀行)による3年物資金無制限供給(LTRO)で、南欧諸国の金利上昇に歯止めがかかり市場は安定した(グラフ参照)。重要なことは、国際的協調体制ではなく、危機の震源地である欧州当局自らが、金融システム・ユーロ体制に対する市場の疑念を払拭させる対応だろう。


・週末のギリシャの再選挙後に、「突然のギリシャのユーロ離脱」には至らないと予想している。ただ、南欧諸国の金利上昇に歯止めをかける、ECBによる追加金融緩和強化などが実現しないと、市場が落ち着きを取り戻すことは難しい。また、「スペイン銀行の資本不足⇔国債金利上昇」の悪循環を断ち切る、EU連合による財政資金投入スキームも必要である。

・更に、欧州当局の政策対応と同様に重要な点は、米国を中心とした世界経済の動向である。2011年末以降市場が落ち着いたのは、米国を中心に景気下げ止まりの兆候がみえていたことが大きな理由だった。ただ、6月4日レポートでお伝えしたが、雇用統計は2011年夏場同様に減速している。

・今週発表された5月米小売売上は、雇用減速が消費停滞につながっていることを示す結果で、雇用も消費も2010、11年夏場とほぼ同様の動きである(グラフ参照)。過去2年と同じ「マイルド・短期的な景気減速」とは言えるが、この足元の米経済指標の減速が止まるにはもう少し時間が必要とみられる。こうした米国経済の状況を踏まえると、週末のギリシャ再選挙を巡る思惑だけで、リスクテイクに踏み切るリスクは依然大きい。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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