通信販売大手のニッセンが運営するインターネットアウトレットモール“BRANDELI(ブランデリ)”が好調だ。「ネット販売業界では、ひと月に売上高3000万円を超えられるかどうかが1つの山」(業界関係者)といわれるなか、今年6月の売上高は7000万円強。2009年度通期の売上高は、目標とする8億円(前年比2.1倍)を超える見通しだ。

 人気の秘密はきめ細かいサービスにある。実寸や素材の表示はもちろんのこと、アウトレットでは珍しく、新作として店頭に並んだ時期を明記する。また、返品も受け付け、「イメージと違う」「サイズを間違えた」など、ネット購入につきものの悩みを解消する。

 価格は平均約65%オフ、商品数は約12万点。「プロパーの店頭とアウトレットでは売れる商品が違う」(安藤裕樹・ブランデリ事業推進部マネージャー)。ネットのアウトレットの販売ノウハウを蓄積し、メーカーの見切り商品を短時間で大量購入して仕入れ価格の引き下げと商品確保を可能にした。

 加えて、ログイン後のマイページには、過去の購入履歴とその購入価格を元上代とともに提示。ブランデリを利用することで、どれだけ上手に買い物できたか実感させ、需要喚起につなげている。

 数年前まで、アウトレットモールは、ブランドイメージを損なわせるものとして、メーカーには敬遠されがちだった。

 しかし、「店頭の売り上げから数ヵ月後の需要を予測して商品を作るメーカーにとって、在庫所持は避けられない」(ブランデリに出品する村山幸三・アイランドユニヴァース社長)。昨年秋からは想像を超える余剰在庫を出すメーカーが多くなっており、在庫圧縮のための新たな販売チャネルが求められているという。

 ブランデリのブランド数は、いまや100を超える。販売場所に物理的制限がなく、商品を一点ずつていねいに展示できるネットのアウトレットモールは、消費者とメーカー双方のニーズをつかんでいる。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 新井美江子)

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