こんにちは、「電子書籍フォーキャスター/World Business Trend Tracker」の吉田克己です。恒例(?)の電子書籍マーケットの将来予測(フォーキャスト)をお届けします。今回は、日本の電子書籍市場におけるプレーヤー、とくに出版社・取り次ぎ・書店といった主要プレーヤー以外の新しいプレーヤーの最新動向を見ていきたいと思います。

電子書籍リーダーを買うか
しばらくはスマホか

 これから「電子書籍も読んでみよう」「活用しよう」と考えている人にとって、まず悩ましいのは、「リーダーをどうしようか?」ということではないでしょうか? スマホを使っていないおじさんなら、パソコン以外で電子書籍を読もうと思えばリーダーを買うしかないのですが、すでにスマホを持っている人なら「スマホにアプリを入れて済まそうか、思い切って専用リーダーを買おうか?」ちょっとは迷うことかと思います。

 すでに専用リーダーを使っている友人に、どれがいいか聞いたとしても、その人だってたいがいは1機種しか使っていないわけで、他の機種との比較までできるわけではないでしょう。

 だったら、家電量販店の販売員に聞いてみるか? でも買ってしまいそうだし……。それに、何が読めるかもわからないままリーダーだけ先に買うのは……失敗するリスクがありますね。

 ならば、徹底的に比較してくれているサイトを、まずは見てみましょう。

端末とコンテンツの両方から徹底比較 主要3製品を使い比べてわかった「電子書籍」の今(2012.02.24)

 さすが「価格.com」マガジン編集部、微に入り細を穿ち、調べてくれています。もっとも、「価格.com」で買えるリーダー限であることは至極あたりまえですが(ちなみに、「微に入り細に入り」は誤用ですので、誤使用の細は――じゃなくて、御使用の際はご注意のほどを)。

cf.間違って使ってない? 慣用表現(2007.07.24)

 閑話休題。だいたいわかったところで、使い勝手はそれこそ、家電量販店の店頭で試してみるのが一番でしょう。問題は、自分の好きな作家・著者やジャンルの作品がどれくらい用意されているかではないでしょうか。

 同記事には、「専用端末は、特定の電子書籍サイトがセットで使うことを前提として」いるとありますが、必ずしも「専用」ではなく、「ソニーの『Reader』シリーズは『Reader Store』、東芝の『BookPlace DB50』は、『BookPlace』を使うのに最適化されている」という意味です。

 機種ごとの「作家名で調べた蔵書数」「キーワードで検索した蔵書数」も掲載されていますが、はっきり言って、パッと見では優劣がつけられません。機種ごとの合計を出していないところにメーカーへの配慮(?)が感じられ、読者としては不満が残るところです。

 なお、シャープの「ガラパゴス」については、昨年の9月15日に撤退報道が流れ、すぐに同社が否定コメントを出す騒動がありましたが、事実は、現行モデルの在庫切れに伴う「販売終了」と9月末をもっての直販終了であり、「販売終了」アナウンスが「撤退」と取り違えられたものでした。

 この動きに関しては、当ダイヤモンド・オンラインの「スマートフォンの理想と現実」というコーナーに、期待と応援を込めた辛口の論評が掲載されています。

誤報なら良かった!このまま撤退で良いはずがない シャープのガラパゴス事業に期待される進化(2011.09.21)

cf.質問1 ガラパゴス事業から撤退しないというシャープの経営判断は正しい?