ネットワークを活用し、
アジアへの出店を検討

 また、セキドの店舗には中国人観光客の来店も多く、今後、中国や香港などアジア地域への出店も検討している。「店舗を訪れる外国人客の反応を見ても、ファッションブランド並行輸入品販売のビジネスモデルは、アジアでも成功する可能性が高いと考えている。劉社長は上海出身で中国にネットワークを持っており、コーディネーターとしても信頼できる。ストリームとはアジア進出に関しても、合弁会社設立などの業務提携を視野に入れている」と、セキドの関戸社長は、アジア出店への意気込みを語る。

 ストリームは、現在上海に子会社である上海ストリームを持つ。「上海ストリームは、日本メーカー各社の販売代理店として、主に各種製品の中間材料を現地のメーカーに販売する商社機能を持つ会社だが、中国に基盤を持っていることは確か。中国はファッションブランドに対する関心が高く消費能力もあるが、まだ現地にはセキドのような店舗は存在しない。進出すれば成功の可能性は高く、協力は惜しまない」と劉社長も前向きな姿勢を見せる。

 豊富な在庫を有効に活用したいセキドと、先進的なECサイトと物流システムを有効に活用したい両社が、お互いの業務を補完しながら、売り上げ増大を目指す今回の提携。株式を持ち合い、役員・監査役も相互に交換し、堅固で、責任ある体制で臨む。

 並行輸入品販売専業で店舗展開のセキドと、先端のネット通販で店舗を持たないストリーム、企業文化は全く違うという両社が生み出す、新たな“流通革命”に注目したい。

「ファッションブランド並行輸入品販売のビジネスモデルは、アジアでも成功する可能性が高い」――関戸社長
「中国は、ファッションブランドに対する関心が高く消費能力もあるが、セキドのような店舗は存在しない」――劉社長