1~3月期GDP内需に力強さ欠くが景気後退には至らずPhoto:PIXTA

2019年1~3月期の実質GDPは前期比0.5%増と、大方の予想を上回り、景気動向指数で示された景気悪化の判断と食い違う結果となった。中国などアジアへの輸出減少の影響が大きい製造業の占める比率の差が結果の差の主因である。ただ、先行きは安心できない。米中摩擦のさらなる激化は輸出の落ち込みをもたらし、日本経済を景気後退に陥らせる公算が大きい。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

 1週間の間をおいて、景気動向について相反する結果を示す経済指標が公表された。

 5月13日に発表された19年3月の景気動向指数。その一致指数は99.6と前月より0.9ポイント低下し、2ヵ月ぶりの悪化となった。これにより、3ヵ月の移動平均が3ヵ月以上続けて悪化し、当月の前月比がマイナスになるという、景気悪化の基準を満たすことになった。

 これは、機械的判断であり、実際の景気の山や谷の判断は景気動向指数研究会で議論して決定される。機械的判断が、実際の景気判断と必ずしも一致するとは限らない。とはいえ、景気が下方に向かっていることを示す材料ではある。

 一方、一週間後の20日に発表された2019年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比0.5%増、年率にして2.1%増と、2期連続の増加となり、18年度の成長率は前年度比0.6%となった。