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6月19日 18時0分
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米国株は期待先行?〜債券市場と異なる動き〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・ギリシャ再選挙後の昨日(6月18日)米国株市場は、欧州への不安から安く始まった後、下げ幅が縮小し前日とほぼ同じ水準で引けた。ギリシャ発の最悪シナリオは回避されたが、欧州不安が晴れない中で、米国株市場もとりあえず身構えている格好だ。

・グラフでは、米国株と米国長期金利の推移を比較している。先週から、ギリシャ選挙に備えた政策対応への期待で、米国株は1ヶ月ぶりの水準まで上昇している。いち早く米株式市場では「リスクオンへの転換」に対する期待が現れている。一方、米債券市場では、10年金利は最低水準から持ち直したが低下基調は変わらず、両者は異なる動きを見せている。


・これと同様に、米国株と米国長期金利の乖離は4月中旬から5月初旬にも起きた。この時期米国株は、企業業績の改善期待を背景に上昇したが、米債券市場は慎重だった。結局、5月以降のギリシャのユーロ離脱懸念の浮上で、低下し続けた長期金利に、米株式市場が追いつく形で乖離が収束した。再び足元で、両者の値動きが異なり乖離が広がっているが、今後どうなるか?

・2011年10月初旬から、米FRBの金融緩和期待で金利水準が変わらないまま、低金利による景気下支えで、米国株は約5ヶ月上昇した(グラフ参照)。現在の米国の長期金利は「行き過ぎ」と言える水準まで低下しており(6月12日レポート)、これは永遠続かず、いずれは株高と供に2012年春先のような金利上昇が起きるだろう。ただ、2011年末のように、持続的な株高局面が訪れるには、もう少し時間がかかるとみられる。市場のリスク回避モードが変わった2011年末と、現在は異なる点が2つある。


・1つは欧州の状況である。先週末ギリシャ発の混乱シナリオが回避され、スペインの銀行に対する資本増強策の大枠が決まった。ただ、これについて、各国間の負担の取り扱いが依然不明である。欧州の支援国では「銀行同盟」設立が議論されるなど望ましい動きもあるが、「銀行の資本不足⇔国債価値低下(=金利上昇)」の悪循環を止める政策になるか心許ない。銀行の資本増強策に加え、2011年末に行われた、南欧諸国の金利上昇を止める、ECB(欧州中央銀行)による利下げあるいは国債買取りなど大胆な金融緩和策が、市場の不安心理収束に必要とみられる(6月18日レポート参照)。

・2つ目は、米国の経済指標の減速が続いていることである。先週発表された、足元の景気先行指数(ミシガン大学消費者センチメント、NY連銀製造業指数、新規失業保険申請件数)は、いずれも景気減速を示す結果だった(グラフ参照)。2011年末から世界経済を牽引してきた米経済だが、4―6月に好調だった個人消費が停滞し、GDP成長率が+2.0%を下回るリスクがある。こうした低成長では、多くの企業業績が下振れしかねない。一方、2011年秋口には、米経済の主要指標の悪化は下げ止まっていた。


・これら2つのいずれかが好転するまでは、政策期待で上昇した米株式だが上値が抑えられると考えている。場合によっては、5月同様、米国の長期金利の水準に近づく格好で、再び下落するかもしれない。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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