「新卒で『企画がやりたい』『秘書になりたい』という根拠のない希望を話す子もいます。そういう子には希望をかなえるのが難しいと伝えたり、あなたの大学ではこの企業は無理だとはっきり伝えたりすることもあります。夢見がちなままでは受かりませんから」(新卒エージェント事業を展開するシンクトワイスの猪俣知明社長)

 求人を紹介されたら、企業説明会の案内や一次選考の調整もしてもらえる。その際、新卒エージェント側のフォローは万全だ。

 まず、面接対策。学生側は企業や業界の理解が深まっていないケースが多い。そのため、講義形式で業界やその企業について説明することも。また、模擬面接を行って一緒に練習をしてあげることも。そして、ツールは会社によって異なるが、LINEや専用のアプリを通じて「明日は面接頑張れよ」などと励ましたりすることもあるという。

「次は○○営業部長の面接だから、こういうことを言わないほうがいい。こういうことを言うと喜ばれるぞ、というようなアドバイスをすることもあります」(猪俣社長)

「電話で面接当日、覇気がない子に関しては弊社の担当が、自信を持てるように駅で一緒に発声練習をしてあげるケースもありました」(平原氏)

 実際に新卒エージェントを利用して企業へ入社した新卒社員は「LINEなどで気軽にやり取りしてアドバイスをくれるので、部活やサークルの先輩のお兄さんみたいな感じ」と語るほど、新卒エージェント側は近い距離で彼らのフォローをしているようだ。

 もう1つ重要な役割が、学生の「企業へ入社したい」という意向を上げることだ。すなわち、企業側の「(この学生が)ほしい」という声を代弁し、学生に入社したい気持ちを高めてもらう。過去に入社した人のデータ、タイプや評価、今の活躍などを教えることで、彼らに働くイメージが湧くようにすることもあるという。