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イケテルカノジョ養成講座

カレを取りますか、それとも、友情を引き裂きますか

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第10回】 2012年6月22日
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恋の炎は、ときとして友情の灰を残す――、アンリ・ド・レニエの『だから』より
 

 時刻は、夜の十時をまわったころだったように思う。
  不意に、部屋の呼び鈴が鳴った。私は首を傾げる。はて、こんな時間に――?

 また警察かな、などと思ったりもした。

 そのころの私は二十代の半ばで、週刊誌の記者をしていた。配属は事件班だ。事件を担当すると、当然のように警察のご厄介になることも多く、疑惑の人物宅で張り込みをすれば、近所の住人に、不審な男がうろうろしていると通報されたり、“職質”を受けるなんてことは当たり前のようにあった。

 たまたま勘が冴えて、密輸、密売、その筋の方々の秘密の取り引き場所などを探り当てて現場に出向くと、それがGメンの極秘捜査の邪魔をして、すーっと寄って来たワゴン車に力ずくで押し込まれてこっぴどく怒られたり、最悪は“一味”と勘違いされて署まで連れて行かれたり。

 というふうに、事件を取材していると、警察関係者とお近づきになることが多い。

 あるときなどは、都内で起きた爆破未遂事件の犯人グループと間違えられて、家宅捜索を受けたこともある。どーして私が。灰皿の吸い殻をこっそり持って帰ろうとするし。捜査員が踏み込むときはたいがい朝早くか、夜遅くなので、称してこれを“夜討ち朝駆け”という。

 だから、あのときも、また警察かな――、と思った私です。

 玄関の扉越しに、どなた、と声をかける。返事はない。警察なら、いや~、夜分に恐れ入ります、と一応は慇懃に応えるのだが、それもない。こんな時間にNHKや新聞屋さんが集金に来るはずもない。店屋物の器なら玄関先に出しておけば、呼び鈴など鳴らさずに回収していく。はて、こんな時間に誰だろうと思いながら扉を開けると、青ざめた表情で親友のカノジョが立っていた。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


イケテルカノジョ養成講座

きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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