経営×経理
単なる予算消化でなく「生きた研修」で経理部員を変える仕組み経理パーソン向けの研修は、一辺倒なやり方で進めるだけでは効果を期待できない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

経理パーソン向け研修は
何が問題なのか

 「経理の仕事はRPAやAIなどの導入が加速化し、今後はますます自動化していく」

 こうした報道はすでに多くの経理パーソンがチェックし、聞き飽きている頃でしょう。危機感を与えることによって、各々に経理の未来図をしっかり描いてもらうためのエールとして捉えれば、建設的でしょう。しかし、筆者の私見では、中には経理の本質を理解した上での発言なのか疑われるようなものも存在するように見え、危惧することもあります。

 もちろん、様々な見解に触れることで、経理パーソン各人が今後の経理業務についての道筋を探り、前進できればいいのでしょうが、他者の見解のみに振り回されることなく、各人が未来を見据えた上で必要だと思われるスキル・知識を身につけ、実践していくようにすれば、多種多様で、かつ力強い経理スタイルが生まれるはずです。

 その方法の1つに、自社が主催する研修の場で経理パーソンに学んでもらうことがありますが、一辺倒なやり方で進めるだけでは、効果は期待できないでしょう。

 そこで今回は、経理パーソン向けの研修に焦点を絞り、どのようなスタンスで取り組めば有効なのかを説いていきます。もちろん、筆者の見解も“他者”なのでしょうが、長きに渡って経験を積んでいる者からの小さなメッセージの1つとして参考になれば、幸いです。
 
 まずは、あなたが身を置いている企業の研修スタイルについて、思い返してみてください。大手商社の経理課長Aさん(40代男性)は「このところ利益も上向きなので、研修予算は多めについています。ただ、正直なところ『研修予算が余ったから……』といった理由で消化しようとする姿勢は否めませんね」と苦笑いしながら、自社の裏事情を語ってくれました。皆さんの中にも、思い当たる方は少なくないでしょう。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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