世界で活躍するシリアルイノベーター、濱口秀司さんの論文集『SHIFT:イノベーションの作法』を、みなさんはどのように読んでくださったのか。濱口さんをよく知る、これまた多士済々に感想を伺って、リレー方式でご紹介していきます。この論文集をこれから読む方にも、すでに読んだ方にも、この論文集の活用法や、効果を最大化する方法のヒントになるかもしれません!
今回うかがうのは経営ストラテジストの坂之上洋子さん。濱口さんとは共通のビジネススタイルがあり、だからこそいっそう共感&感嘆されるところがあるようです。

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坂之上洋子さんに聞く「濱口秀司さんの仕事の特に美しい点」とは?坂之上洋子(さかのうえ・ようこ)さん。国内外とわず多くの経営陣の信頼を得ている経営ストラテジスト。

濱口氏とは、メディアで、今まで3、4回の対談をさせてもらっている。
彼が、対談相手として私にオファーをくれる理由は、私が彼と同じスタイル、つまり「ひとり」で企業に乗り込んでいき経営戦略の仕事をしているからだと思う。

日本や海外の企業でもひとりで経営の中枢に入っていく仕事をしている人は、あまりいないので、会えば、お互いのプロジェクトの進め方や仕事の哲学の話をするようになった。

私はかなり厳しく批判的な方だと思う。それでも、濱口氏の仕事は、見事としか言い表しようがない。特に、美しい点は「机上の空論」ではないところ、だ。
実行に落とし込むフェーズが、細かく詰められてあり、不確定要素まで織り込まれており、それでも起こる問題を潰していく処理能力にも目を見張るものがある。

それだけではない。一番私が唸ってしまうのは、コンサル先のメンバーが、いつの間にか成長している点。そして、彼はあくまでも黒子に徹底して、そこにいる。

巨大企業や少人数の起業した会社の中枢にひとりで入っていき、黒字を叩き出せる会社に経営陣の頭をリセットし、体制を変化、作り上げていく様は、まるで映画やドラマを見ている気分にさせられる。

彼は、実際に多くの企業を変化させ、反転黒字させている。実際、濱口氏は米国で一番時給が高いコンサルタントの一人として名前があがっている。

そんな濱口氏の理論。思う存分楽しんでほしい。
目から鱗が落ちていく感覚を何度も味わえるはずだ。