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政局LIVEアナリティクス 上久保誠人

互いに呼応しあう鳩山兄弟を軸に、政局の今後を占う

上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]
【第19回】 2009年3月17日
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 鳩山一郎元首相の没後50年祭が開かれた。孫の鳩山由紀夫民主党幹事長と鳩山邦夫総務相は将来の連携の可能性を示唆したという。今回は、本年度予算成立後の政局の焦点として、鳩山兄弟に注目したい。

 鳩山兄弟の動きが目立ち始めたのは、鳩山(邦)氏が、日本郵政が全国に展開する宿泊・保養施設「かんぽの宿」をオリックスに一括譲渡することに「安すぎる!」「こんなものが入札と言えるのか!」と噛みついてからだ。これを鳩山(由)氏が「総務相が遅まきながら(失敗だったと)気づいたことは正しい」と評価し、「郵政民営化は政府・与党の失敗だ」と批判を強めた。2月6日にオリックスへの譲渡契約が白紙撤回された。

 国会では麻生首相が「郵政民営化には元々反対だった」と答弁し、与野党から強い反発が起きた。遂に小泉純一郎元首相が「怒るというより笑っちゃうくらい、ただただあきれている」と、麻生首相を痛烈に批判し、更に「定額給付金」の衆院再可決への棄権を示唆した。鳩山(由)氏は自民党議員に対して「小泉氏を信奉する方々は、小泉氏の思い通りに行動してほしい」と、造反を煽った。

 更に、鳩山(邦)氏は東京駅前の旧東京中央郵便局の再開発についても「重要文化財の価値があるものをなくすのはトキを焼き鳥にして食べるようなもの」と声を荒げた。

 一方、小泉元首相に同調する動きは自民党内に広がらなかった。3月4日、衆院本会議での定額給付金再可決で小泉元首相に同調して造反したのはただ1人だった。

 3月10日、鳩山(邦)氏はこれまでの強硬な態度を変えて、旧東京中央郵便局の保存部分を拡大して再開発を進めるという日本郵政の提案を「受け入れる」と表明した。

鳩山兄弟ともに
なんの損もしない不思議

 ここで気になるのは、鳩山(邦)氏の言動が党派の違いにもかかわらず、不思議なほど鳩山(由)氏を利していることだ。鳩山(由)氏のコメントが、常に鳩山(邦)氏に対する絶妙なフォローになっていることがそのことを示している。

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上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]

1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。博士論文タイトルはBureaucratic Behaviour and Policy Change: Reforming the Role of Japan’s Ministry of Finance。

 


政局LIVEアナリティクス 上久保誠人

「大物政治家に話を聞いた」「消息通に話を聞いた」といった大手マスコミ政治部の取材手法とは異なり、一般に公開された情報のみを用いて、気鋭の研究者が国内・国際政局を分析する。

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