緊縮財政か成長重視か。欧州危機の収束に向けたアプローチをめぐり、ユーロ圏が対立を深める中、危機の波及を防ぐための資金の出し手に中国が名乗りを上げそうだ。既に他のBRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)と共に支援を表明したが、それとは別に、水面下で支援策を検討している。

 誰が欧州を救うのか──。

 他の主要国に先駆けて4月、欧州を支援すべく国際通貨基金(IMF)への追加資金拠出を決めた日本。実はその支援額、なんとユーロ圏のリーダーたるドイツの547億ドルを上回る600億ドルで、ひっそりとトップに躍り出た。

 欧州危機の波及を防ぐための資金不足が懸念される中、6月18日、新たに12ヵ国がIMFへの資金拠出を表明した(図参照)。総額は計画を上回る4560億ドルに達し、これでIMFの融資能力はほぼ倍増したことになる。

スペイン救済に動き出した中国<br />欧州債務危機の“パトロン”問題