日本郵政は昨年末、米アフラックと2700億円を出資する契約を結んでいる日本郵政は昨年末、米アフラックと2700億円を出資する契約を結んでいる Photo:JIJI

アフラックが独自に顧客調査

 日本郵便とかんぽ生命保険による不適切販売問題で、当面の販売自粛か継続かを巡り、日本郵政グループとアフラック生命保険の対応が迷走している。

 郵政グループは14日までに、不適切な販売を受けて顧客調査などを優先するため、かんぽ商品の積極的な販売を控えるよう郵便局に指示。一方で、親会社同士で資本提携しているアフラックのがん保険については、従来通りの販売を続けるというスタンスを取ってきた。

 郵便局経由で販売するがん保険が、アフラックの新契約件数の4分の1を占めており、自粛となると影響が大きかったからだ。

 アフラック会長のチャールズ・レイク氏が、日本郵政の社外取締役に就いていることも、販売継続の判断に響いた可能性がある。

 一方、郵便局員の販売手法が問題になっている中で、なぜアフラック商品については販売を続けるのかという疑問に対し、合理的な説明はできていないままだ。

 そうした状況でアフラックは24日、郵便局経由で販売したがん保険(保有件数は推計で70万件以上)について、不適切な事例がないか独自で調査を始めたと明らかにした。調査で不適切な事例はなかったとなれば、販売継続の大義名分になると考えたのだろう。

 ただ、それは自らの首をさらに絞めることになりかねない。本来、不適切な事例がないか調べるのであれば、まず積極的な販売を自粛するのが常識だからだ。