ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
シリコンバレーで考える 安藤茂彌

モバイル興隆の中、世界の隅に押しやられた日本の携帯電話産業

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第4回】 2008年6月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 2008年のテクノロジートレンドを占うパネルディスカッションが5月中旬に開催された。Churchill Clubが主催する恒例の会合で、1000人近い聴衆が集まった。当地の有力ベンチャーキャピタリスト5人が壇上でそれぞれ今年のトレンドについて上位2つを予測し、残りのパネリストが賛否を投じた後、聴衆が賛否を投じる。賛成ならば緑のカード、反対ならば赤のカードを挙げるというもの。ここシリコンバレーならではの光景である。

 壇上に座ったのは、Draper Fisher JurvetsonのSteve Jurvetson、 Khosla Ventures のVinod Khosla、First Round CapitalのJosh Kopelman、Elevation PartnersのRoger McNamee、Accel PartnersのJoe Schoendorfと錚々たるメンバーである。今回は彼らの発言の中からITに関する部分をご紹介する。

携帯電話の驚異的な普及
今後5年でユーザーが52億人に

 今後5年間に世界人口の8割が携帯電話を使うようになる。特にアフリカでの利用普及が最も著しい。また、携帯電話機の価格は500円程度にまで値下がりする。

 世界人口を65億人として、その8割は52億人になる。2007年11月時点の利用者数は33億人と推定されるが、それが一気に29億人も増えるという。2005年の世界の利用者は21億人だった。それがたった2年間で12億人も増えている。

 統計を見てみると、確かにアフリカ市場は2005年時点で24ヵ国2億5000万人と12%程度のシェアを占めるに至っている。南アフリカ(3400万人)、ナイジェリア(2100万人)、エジプト(1400万人)、アルジェリア(1360万人)、モロッコ(1240万人)、ケニア(650万人)、ガーナ(280万人)、コンゴ(275万人)とかなり国民所得の低い国にまで普及している。

 固定電話回線を敷設するには膨大な資金を要するが、携帯電話網であれば基地局を建てるだけで済む。金と時間をかけずに建設できることが、アフリカでの普及のドライバーになっている。この市場ではノキアと韓国勢が健闘しているという。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

「シリコンバレーで考える 安藤茂彌」

⇒バックナンバー一覧