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イオンが描く GMS再生の青写真

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【第11回】 2009年11月19日
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「10年間、GMSの抜本的な改革ができなかった」──。2010年2月期の第2四半期決算で146億円の純損失を計上したイオン(千葉県/岡田元也社長)が、GMS(総合スーパー)改革の方向性を打ち出した。大幅なコスト削減や部門ごとの収益性を見直し、デベロッパー事業に依存してきた収益構造からの脱却をめざす。(取材・文/大木戸歩)

今は、改革できずにいた
10年分のツケを払っている

 280億円+0円=280億円──。

 イオングループの総合小売事業が09年2月期に出した280億円の営業利益の内訳を、イオンの岡田社長はこう説明する。「280億円」はデベロッパー事業による収益で、物販の収益は「0」だという。

 さらにこの「0円」の内訳は、0円=100億円+0円+(-100億円)となる。「衣料品がボコボコになりながらも100億円の利益を出している。食品はプラスマイナスゼロ、家電を含む住居余暇が100億円の赤字を出している」(岡田社長)状況だ。

 これまで同社はGMS改革としてさまざまな施策を打ってきた。だが「住居余暇に関しては、ずっと10年間放置されていたというのが正直なところ」(岡田社長)と振り返る。

ザ・ビッグ昭島店
GMSの不振店については60店舗程度を閉鎖する方針を打ち出していたイオンだが、一部の店舗はディスカウント業態などに転換する方針だ(写真は今年9月にジャスコから業態転換した「ザ・ビッグ昭島店」)

 かろうじて利益の出ている衣料品についても手厳しい。06年にオープンした名古屋ドーム店(愛知県)からはじめた衣料品改革「イオンスタイルストア」の展開や、組織改革、システム改革などさまざまな取り組みはあったものの、「現在の衣料品の体たらくというのは、直近の5、6年を見ても、経営管理上の失策の連発だったと言わざるを得ない」(岡田社長)。

 こうした強い危機感の中で、イオンはGMS再生に向けてどのような青写真を描くのか。

衣料品はSPA強化で収益力を強化する

 実は、衣料品部門が出している100億円の利益の大半は、インナーで稼いでいるという。だがそのインナーでさえ有力専門店チェーンの台頭で「見る影もないような状況」(岡田社長)。打開策として打ち出すのが、プライベートブランド(PB)の強化だ。13年2月期末までにインナーにおけるトップバリュ構成比を50%超にできるよう、商品開発に取り組んでいく方針で、これによって50億円程度の利益の追加が可能になるとしている。

 さらに13年2月期をメドに、カジュアル衣料売場の改革も進める。現在はメンズ・レディスを合わせて売上高450億円、営業利益20億円程度だが、13年2月期に売上高800億円、営業利益70億円まで拡大するのが目標だ。PBを1カ所に集約したSPA(製造小売)型の大型専門店「トップバリュコレクション」として売場を括りなおし、既存店に導入していく計画だ。

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