公的年金はリスクをとって運用すべきなのか?Photo:PIXTA

 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、公的年金は5年に1回、健康診断のような位置づけで財政再計算を実施しています。これにより、現在の公的年金の財政状態がどうなのか、今後様々な経済環境の中で、将来の受給者にどのくらいの年金を給付できるのかを推定しています。前回実施した2014年から5年経過しているため、現在、国は財政再計算を実施しています。

 その財政再計算でカギとなるのが経済前提、すなわち生産性上昇率、実質成長率、物価上昇率、そして結果としての名目運用利回りなのですが、国はその利回りが1.3~5.0%の間になると想定して再計算作業を進めています。5年前の前回再計算では、名目運用利回りは2.3~5.4%でしたので、それよりは若干保守的になったようです。それでも新聞などで一部の有識者からは、まだまだリスクをとりすぎているのではないか、目標運用利回りが高すぎるのではないか、と言った意見が出ています。

 当連載をご覧いただいているオヤジの皆さんはすでに資産運用を始めている人も多いでしょう。そんな皆さんから見て公的年金、具体的には年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)の運用はリスクが高いと思いますか?

 今回は、このGPIFの名目運用利回りを検証してみたいと思います。