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イケテルカノジョ養成講座

失恋した日の長い夜

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第12回】 2012年7月6日
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相手に別れられたからといって、誰も不幸な人はありません。私たちはもはや、恋で死ぬような時代に生きてはいないのです――、とオラース・ド・サン=トーバンの『最後の仙女』には書いてある。
 

 失恋というのは、幅が広い。

 たとえば、好きな子がいて、思いを寄せている。だが、告白する勇気がなく、恋慕だけしているうちにカノジョにカレができて――、も失恋になる。

 思い切って声をかけ、告白したとき、ごめんなさい。と返されたときも失恋だ。

 交際が始まり、期間の長短はさておき、カノジョに心変わりがあって別れを切り出された場合も失恋になる。ただし、お互いの話しあいと理解があって、元の友だちどうしに戻れるようなカップルもいないわけではない。

 ところが、夫婦間には“失恋”がないから面白いのだが……、たとえ女房に三行半を突きつけられても失恋とは言わないし、伴侶が不倫相手と一緒になったとしても、やっぱりそれを失恋とは言わない。

 三行半と書いて“みくだりはん”と読むのですが、意味はおわかりですね。

 そのむかし、離縁状をしたためるとちょうど三行と半分くらいの分量になったことからこう呼ばれるようになりました。三下り半とも書きます。

 「ヤマタノオロチってえ大蛇はとにかくでっかくて、とぐろを巻くと、山を三巻きもするほどだったって言うじゃねえか」
 「そんなものですかね。あたしは八巻きするくらいの蛇を見たことありますよ」
 「嘘つくんじゃねえよ、そんなでっけえ蛇がいるわけねえだろうが」
 「いーえ、こんなものでしたよ」

 と言って軽く手を拡げて見せる。

 「何を言ってんだおめえ、それじゃ三尺もねえじゃねえか」
 「ですからハチマキと」

 というネタが落語の枕でよく使われましたが、何のことかわからない方はわからないままでいいです。三行半の話が流れただけです、下のほうに。八行も使ってるじゃないか、とツッコまないよーに。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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