郵便局の不適切販売と営業実績水増し、アフラックのがん保険でも発覚郵便局におけるがん保険の積極的な 営業を、日本郵便とアフラックは果 たしてどこまで貫けるか Photo:DW

「かんぽ不正問題」で揺れる郵便局。生命保険では唯一、現在も自粛せず販売継続しているアフラック生命保険のがん保険でも、顧客に不適切な販売をしている実態が浮かび上がってきた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

 アフラック生命保険が全国約2万の郵便局に販売委託しているがん保険を巡って、不適切な販売が一部で横行していることが分かった。

 がん保険は保険料を月払いにした場合、顧客からの払い込みが1度しかないまま失効や解約になったときは、販売実績が消滅する仕組みになっている。一方で、保険料の払い込みが最低でも2回あれば、その後解約になったとしても、郵便局員の販売実績は消滅せず、そのまま年換算保険料として実績に反映されることになる。

 複数の郵便局関係者によると、そうした実績評価の仕組みを逆手に取り、顧客が2回目の保険料を払ったら解約してもらい、その後理由を付けてまた契約させるということを繰り返す郵便局員がいるという。

 そうして短期間で契約を転がしながら、販売実績を水増しする手法は「局員の間で『ニコロ』と呼ばれ、ひそかに共有されている」(郵便局関係者)という。

 ただ、このような抜け穴を突いた手法は、郵便局員自身の収入増には一切つながらない。契約から6カ月以内の早期解約の場合は、受け取った販売手数料を全額戻す規定になっているからだ。