ジャック・ウェルチ

 20世紀における最も誉れ高い経営者の1人ジャック・ウェルチは、ゼネラルエレクトリック社(GE)のCEOとして、同社のずば抜けて高い名声を維持し続けた。ウェルチの指導のもと、同社は新たな分野に事業を展開し過去に例のない業績を記録した。

 1999年、フォーチュン誌から「今世紀最高の経営者」と呼ばれたジャック・ウェルチは、マサチューセッツ州セーラムで育ち、マサチューセッツ大学を卒業したあと、イリノイ大学に移り、化学工学の博士号を取得している。

 そして1960年、研修生としてGEに入ってからは、とんとん拍子に出世の階段を昇っていった。

 33歳で、同社の歴史上、最も若いゼネラルマネジャーとなり、1981年にCEOに就任した。どんな事例と比較しても、その業績には目を見張るものがある。20年以上という年月にわたって革命を推し進め、組織の再編成、シックスシグマ、高すぎるほどの目標設定、そして矢継ぎ早の企業買収などを指揮してきた。

 その結果、利益が600%増加、100四半期連続の売上高増加、さらに世界最高の収益力を誇る企業としての地位を確立するという成果を上げている。2001年9月、ついにCEOの座を退いた。

成功への階段

 ジョン・フランシス・ウェルチ・ジュニアは、1935年11月19日、マサチューセッツ州ピーボディで生まれた。父が鉄道の車掌をしていた関係からマサチューセッツ州セーラムで育つ。

 少年時代、吃音(きつおん)に苦しめられている。母の想像力にあふれた言葉を聞かされていなかったなら、極端に自信をなくしていたかもしれない。ウェルチは語っている。「母はこう言ってくれました。言葉に障害があるんじゃない、頭の回転が速すぎるだけだとね」
 
 学校時代はスポーツに熱中した。高校を卒業するとマサチューセッツ大学をめざす。そこで化学を専攻し、勉強にも遊びにも熱心に取り組み、優秀な成績で卒業した。マサチューセッツ大学に続いてイリノイ大学に入り、化学工学の博士号を取得。その後マサチューセッツ州ピッツバーグに移り、GEで初めて仕事をする。