株式レポート
7月11日 18時0分
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マーケット・アップデイト(2012年7月11日)剣が峰 - 広木隆「ストラテジーレポート」

日米ともに株式市場は下落が続き、6月初めを底とする短期的な戻り基調がトレンド転換するか危ういところに差し掛かっている。日経平均は75日移動平均に頭を抑えられ、200日移動平均もあっさりと割り込み、下値模索に転じた。今日のところは8,800円台の節目をかろうじて維持したが前日比6円安の8,851円と5日続落。5日続落は4月3〜11日(7日続落)以来、約3カ月ぶり。明日の日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとの様子見気分が強く、東証1部の売買代金は8,426億円と8日連続で1兆円を割り込んだ。8日連続の1兆円割れは6月11〜20日以来1カ月ぶりだから、いまとなっては閑散商いは珍しいものではなくなっている。

上向きとなっている25日移動平均(8,783円)や一目均衡表の基準線(8,774円)に下値サポート役を期待したいところだが、海外市場が下ぶれたら耐え切れないだろう。





その意味では今週から4-6月期の決算発表が始まった米国株式市場の動向がいつも以上に気懸かりだ。昨日、ダウ平均は4日続落となる前日比83ドル安の12,653ドルで終えた。朝方は上昇したものの、買いは続かず前日終値近辺でのもみ合いに転じ、取引終盤にかけて売りが優勢となった。前日引け後に下方修正を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)はすでに時間外取引で大幅安になっていたが、昨日の通常取引でも11%安と急落。昨日はAMDに続き、半導体製造装置のアプライドマテリアルズが、今期収益が予想水準に届かないと発表し、一時5%超の下落となる場面があった。今日の東京市場でもアドバンテストが大幅安となるなど半導体関連は冴えない。

トムソン・ロイターによると、米主要500社の4-6月の純利益前年同期比伸び率は5.8%の予想。但し、バンカメの2011年第2四半期が住宅ローン絡みの訴訟の和解費用で大幅赤字となっていたため、同社の今期伸び率が異常に高い。バンカメを除くと0.7%増益にとどまる、金融セクターを除くと▲0.3%と減益予想に転じる。プレアナウンスメント期間の下方修正は95社、上方修正は29社。N/P(ネガポジ:下方修正/上昇修正)レシオの3.3倍=95÷29)はリーマンショック直後の2008年第4四半期以来の弱さだ。ブルームバーグの調べでもこの四半期は1.8%の減益予想であり、実際に減益となればリーマンショック後の回復期で初めてとなるだけに、市場の警戒感も高まっている。



米国株は4日続落でチャート的にも崩れてきた。ダウ平均の25日移動平均は12,643ドルと昨日の引け値のわずか10ドル下。これを切ってしまうと、次は12,500ドルまで下値サポートが見えない。12,500ドルは心理的な節目でもあるが、一目均衡表の雲の下限でもあり、また基準線の水準でもある。また、200日移動平均線も下から上昇してそのレベルに達してくる。12,500ドルはかなり強力な下値サポートだとも思われるが、そこまで下げると、この1月余りの上昇トレンドラインを下に抜けてしまうことになるため、一番望ましい形はここで踏みとどまって反発していく展開である。いずれにせよ、日米とも株価はチャート的には剣が峰の厳しい局面にあると言える。





但し、冴えないながらも、まだ救いは全面安とならないことである。世界景気の先行きに不透明感が強くなる中では景気敏感株は手掛けられないものの、為替も欧州不安も世界景気も、あまり影響の少ない内需ディフェンシブは堅調だ。ソフトバンクは売買代金トップの商いを集め今日で4連騰。7&アイも2009年1月以来となる2500円の大台回復である。



明日にオプションの最終売買日を控えた思惑的な動きかもしれないが、日経平均も大引けにかけて急速に下げ幅を縮め、一応高値引けとなった。チャート的には25日線接近で下ひげをちょっと出して高値引けの陽線。6月4日安値から7月4日まで1カ月で900円弱上げた幅の38.2%押しが8,800円を少し割った辺り。今日のザラ場安値の水準だ。5日続落は3カ月ぶり。小回り3カ月とも言う。調整もいいところに来たと期待したいが、すべては米国株がここで耐えられるか、そして明日の日銀政策決定会合の結果次第と言えるだろう。




(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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