ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ
【第7回】 2012年7月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所

東京23区「今どき3世代同居」事情
出生率が高い街ほど3世帯同居率も高い?

1
nextpage

 2010年国勢調査による核家族の割合は、全国平均で56%。1920年(大正9年)には54%だったから、数字にほとんど変化はない。

 では、わが国の家族の形は変わっていないのか。そうではない。核家族以外の中身は激変している。現在の構成は、ひとり暮らしが32%、3世代世帯が7%、その他が4%。一方大正9年は、ひとり暮らし7%に対し、3世代世帯を含む直系拡大家族が31%、その他が8%。かつての日本では、多世代同居家族がごく当たり前だった。

3世代同居は時代遅れ?

東京23区の3世代世帯の割合は、全国平均をさらに大きく下回る2.0%。日本一3世代同居が多い山形県(21.5%)の1割にも満たない。

 東京は、世帯の約半分がひとり暮らしだ。3世代同居どころか、そもそも家族と暮らす人自体が少ない。しかし、親族世帯(家族と暮らしている世帯)に占める3世帯同居の割合を見ても、わずかに4.1%。全国平均(11%)の半分以下に止まる。23区トップの江戸川区を47都道府県のランキングの中に置くと、43位の北海道と44位の神奈川県の間。つまり、23区一は全国の下から5番目になる。

 まさに稀有な存在と呼ぶしかない東京の3世代同居。だが、わが国の伝統的な家族形態である多世代同居には、数の多寡では計れない象徴的な意味があるはずだ。

 もう一度3世代同居比率の区別順位を見てみよう。1位・江戸川区、2位・墨田区、3位・荒川区。以下、上位にズラリと東部下町の各区が続く。逆に順位が低いのは、港、中央といった都心区と並び、21位の目黒区、20位の世田谷区、18位の杉並区など西部山の手の各区が目立つ(下のグラフ参照)

 3世代同居が時代遅れだとすると、都心や山の手はトレンディな街ということで説明が終わる。だが、それで済ませてよいのだろうか。 

【図1】親族世帯に占める3世代同居の割合
  資料:総務省統計局「国勢調査」より作成 
拡大画像表示
※大正9年の構成比は、「平成18年版少子化社会白書」による
 
1
nextpage
特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
underline

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

「国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ」

⇒バックナンバー一覧