若手社員人材の流動化により、中途採用の活用が進んでいます Photo:PIXTA

企業に「新しい風」を入れる
中途採用のメリット

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 人材市場が流動化している今の時代、自分の上司が突然、中途採用で入社した人物に変わることは珍しいことではありません。特に人手不足に悩まされている中小企業経営者は、他社で鍛えられた優秀な人材に存分に能力を発揮してもらい、若手にも良い刺激を与えてほしいと期待しています。加えて、中途で管理職を入れることには、もう1つ大きな意義があります。

 それは、社風を変えてくれることです。規模にかかわらず、新卒社員が順々に出世していくことが当たり前になってしまった企業に、中途採用で「新しい風」を入れるのはとても大事なことです。もちろん、基本的な理念や考え方がその企業の方針と合致していることが大前提ですが、現状の雰囲気や社風に慣れてしまった環境に外部から優秀な管理職を入れることは、その企業に大きな変化をもたらしてくれるでしょう。

 しかし、部下となる社員たちは、デキる管理職の出現を必ずしも歓迎しないかもしれません。緩い空気を変えようとする新しい上司のやり方に反発することもあるでしょう。