ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
株式市場透視眼鏡

足元の在庫増にも問答無用、投機色が強まった商品相場

2008年4月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 世界的な金融混乱・信用収縮、景気減速リスクから、世界の投資家は脇を固めた防御的な運用に傾斜している。いわゆる「質への逃避」であり、株式から安全資産である債券・現金へのシフトが起こっている。一方、商品市場に目を転じると、「守り一辺倒」では我慢できないヘッジファンドによって大投機相場が演じられ、WTI原油先物価格は一時1バレル=110ドルを突破した。

 原油価格は、中東の戦乱、産油国の治安といった地政学的リスク・政治情勢や、OPECの生産動向、需要の源泉となる世界経済の動向、そして原油・ガソリン等の在庫統計をベースとして形成されてきた。しかし、直近の価格動向は、「ドル安=資源買い」という非常に単純化されたロジックで語られることが多い。これまでの原油市場を支配してきた「定理・法則」から逸脱した動きであることには注意を要する。

 2008年3月18日、米エネルギー省が発表した週間在庫統計では、原油在庫は3億1180万バレル、ガソリン在庫は2億3250万バレルであった(次ページのグラフ参照)。原油在庫は1995年以来の在庫平均である3億1050万バレルを上回っており、ガソリン在庫に至っては、じつに93年3月以来の高水準である。それにもかかわらず、WTI原油先物は100ドル超となり、米ガソリン価格(小売価格平均、3月17日時点)は、1米ガロン=3.332ドルで、2007年1月29日時点の2.213ドルからは約5割の急騰である。これは、どう見ても異常な価格形成である。しかも、米国が事実上リセッション入りとなり、消費量は明白に下落に転じている。

 BRICsの高成長といった世界的な需要拡大要因は否定できないが、足元の在庫動向を無視した歪な相場形成は、まるで日本の仕手株と同様である。つまり、投機マネーによる「買うから上がる・上がるから買う」の問答無用相場が展開されている。この調子では、原油価格は120ドル超もありうるが、いったん投機筋が利食いに回れば、1日で10ドル安といった変動が起きることになろう。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年2月25日号 定価710円(税込)

特集 弁護士・裁判官・検察官 司法エリートの没落

知られざる法曹界の真実

【特集2】
サントリーと創業家
グローバル化への試練

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


株式市場透視眼鏡

株式投資家に向け、具体的な銘柄選びの方法と銘柄名、株価の動向見通しなどを分析・予測。現役トレーダーが執筆。定量的なデータを駆使し株式投資に役立つ情報満載。

「株式市場透視眼鏡」

⇒バックナンバー一覧