小泉進次郎氏「まるでポエムだ」と批判される小泉進次郎大臣の迷言は、実は我々にとって学びに通じるものだ Photo:Diamond

小泉大臣の過去の言動は
すごくシャープだったのに

 小泉進次郎環境大臣の発言が、多くのメディアやネット上でひどい批判にさらされています。「中身のない内容を意味ありげに話す演説がポエム」だのと、これまで小泉氏を称賛していた評論家の人たちまでが、まるで鬼の首を取ったかのように偉そうに批判しているのを見ると、本気で腹が立ってきます。

 というのは、多くの人に小泉大臣の発言を批判する資格はないし、むしろそれから学ぶべきこと、反省すべきことがあるからです。

 もちろん、正直言って、最近の小泉大臣の発言はあまり褒められたものではないと私も思っています。たとえば、国連の気候変動問題の会議では、「セクシー」「クール」といった単語を使っていましたが、自分の経験から言えば、フォーマルな国際会議の場でこうした俗語を使うことは基本的にはNGです。

特に、環境対策先進国の代表が使うならまだしも、環境対策後進国の日本が具体策の提案もなしにこうした俗語を使って抽象的なことを言っては、他国からバカにされかねません。

 ただ、だからと言って小泉大臣は中身がないなどと、そこらの評論家と同じことを言うつもりはありません。私は以前から小泉氏のことは存じ上げていますが、お世辞抜きで、小泉氏は政策に関して詳しい知識を持っていますし、また本質的な問題点を見抜く力に長けた賢い方だと思っています。

 小泉氏は2014~15年に地方創生担当の政務官を務めましたが、このときは自民党きっての改革派である平将明副大臣(当時)とタッグを組んで、国家戦略特区の枠組みを使った改革をどんどん仕掛けていました。当時、私もこの動きに関与していたのでよく覚えていますが、この頃の小泉政務官の公の場での発言は改革志向そのもので、非常にシャープかつ具体性もありました。