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日米欧の同時株安が招くサブプライム世界不況の現実味

週刊ダイヤモンド編集部
2008年1月16日
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 サブプライムリセッションへの懸念が世界を覆い始めた。

 年明けの日米欧の株式市場は軒並み値を下げた。ニューヨークダウの8日終値が2007年末に比5%強安い1万2589ドル、日経平均株価の9日の前場終値が同6%弱安い1万4419円で昨年来安値を更新といった具合だ。株価を押し下げているのは米国経済の景気後退懸念だ。

 株価下落の直接の契機はやはりサブプライム。

 15日に2007年10~12月期の決算を発表するシティグループは、公表額を上回るサブプライム関連巨額損失の計上がうわさされている。7~9月期の巨額損失計上以降、10~12月期の損失計上についてなんら発表のないメリルリンチも追加損失を計上する可能性があると見られている。こうした金融不安から2日のニューヨーク株は急落した。

 そこに拍車をかけたのが4日発表の米国の雇用関連指標。12月の非農業部門の雇用者増加数は前月比わずか1万8000人と11月の11万5000人から大きく落ち込んだ。12月の失業率も前月比0.3ポイント悪化し、5.0%に急上昇した。

 サブプライムローンの延滞率上昇に端を発した信用収縮、住宅価格下落による逆資産効果が懸念されるなかにあって、堅調な雇用こそが「米国経済は減速するも景気後退にまでは至らないとする最大の根拠」(土肥原晋・ニッセイ基礎研究所主任研究員)だった。

 その頼みの綱が今まさに切れようとしている。雇用が悪化し、所得が減少となれば消費の腰は折れ、米国経済の後退局面入りが見えてくる。

 景気後退に陥れば、サブプライムローンを含めた住宅ローンの延滞率がさらに上昇する。損失がさらにふくらむ金融機関は融資に慎重になり、企業の設備投資が抑制されるだろう。

 みずほ総合研究所によると、失業率や長短金利格差などからはじいた景気後退確率は「ほぼ50%の水準に高まった」(小野亮・上席主任研究員)という。サブプライムの病巣に苦しむ米国経済は景気後退の負のスパイラルへの入り口に立ちつつある。それは世界同時不況の引き金にほかならない。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 竹田孝洋)

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