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吉田恒のデータが語る為替の法則

長期金利の劇的な低下がきっかけか?
「FRBサプライズ」でドル/円は90円へ

吉田 恒
【第31回】 2009年6月3日
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 6月になりました。実は、6月のドル/円は過去4年連続でドル高・円安となっています。これには、米国の金利の影響が大きかったと思います。

 6月の為替は、米国の金利が主役になることが多いようですが、私は、今年は特にそのようになる可能性が高く、しかも「劇的な展開」になる可能性を秘めているのではないかと思っています。

ドルの対円騰落状況(クリックで拡大)

5年連続で、6月は
ドル高・円安となるのか?

 上表のとおり、6月のドルの対円騰落状況を見ると、過去15年間で8勝6敗となっていますから、特に一方向へ傾斜しているわけではありません。

 ただ、直近の4年間における6月は、連続してドル高・円安となってきました。これは、米国の金利の影響が大きいと思います。

米長期金利6月の天底

 米国の金利、特に長期金利(10年物国債の金利)は、過去3年連続でこの6月に年間の最高値を記録しています。

 このコーナーでこれまでも何度か紹介してきたように、米国の長期金利とドル/円は、過去3年ほど高い相関関係を続けています(「ドル/円相場で続いてきた「魔の2月下旬」、今年はどうなる!?」などを参照)。

 その意味では、6月に4年連続ドル高となったことは、米国の長期金利が6月に天井をつけた影響を受けたのでしょう。

 さて、今年の米国の長期金利も、5月から3%を大きく越えて上昇しています。このまま、4年連続で6月に天井をつける動きになるのでしょうか?

 そして、5年連続で6月はドル高・円安となるのでしょうか?

 今年の6月、私は、米国の金利が例年以上に劇的な展開をたどる可能性があるかもしれないとひそかに注目しています。

 5月から3%を越えて推移している米国の長期金利ですが、短期間の上昇ピッチとしては異例の動きになってきているようです。

 短期の行き過ぎをチェックするのはいつもの「90日移動平均線からのかい離率」ですが、それを見ると、米国の長期金利が3.7%程度まで上昇し、その中で、90日移動平均線からのプラスかい離率は30%前後にまで拡大しました。

 これは少なくとも、過去10年間では最大のプラスかい離率です。つまり、最近の米国の長期金利上昇は、短期的には過去10年間で最大の上がり過ぎになっている可能性があるのです。

10年米国債の90日移動平均線からのかい離率

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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