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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

逆転の発想とIT活用でつくる
「高齢者が若者を支える」未来の高齢社会

安間裕
【第14回】 2012年7月26日
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匠の技をITで未来に残す!!

 もうひとつは、いわゆる「匠の技」を、次世代に引き継ぐIT。

 檜山さんの研究で、「紙漉(す)き」の伝統継承というのがあります。

 ウェアラブル・コンピュータなどを駆使して、記録された名人の紙漉きの仕方を、弟子に伝承しようとするものです。

 技術的には、以前、紹介したLeapなどのモーション・キャプチャーを使って、「匠」と同じ動作をするロボットを作れば、「伝承」はできるのですが、それだと、高齢者の活躍にはなりません。

 こういった技術の、高齢社会における使い方は、前述の「辣腕営業部長クラウド」のように、「紙漉きの匠クラウド」みたいなものがあって、紙漉きの若手職人が、今取り組んでいるものの作り方についてクラウドに相談をし、「匠」がウェアラブル・コンピュータを使ってやってみせる、それをネットで転送して、「弟子」が同様に機器をつけてやってみる、といった感じでしょうか?

 いずれにしろ、この「逆転の発想」に基づくと、ITを活用することで、いろいろなことが可能になるでしょう。

 高齢社会における新たなビジネスのかたちも見えてくるのではと思います。

 実は、これらの技術は、現役世代の活躍の場も広げますし、もっと言えば、ご家庭にいざるを得ない「働きたい」女性たちの活躍の場も広がり、日本全体の生産力の向上につながるのではと思います。

 今回の記事は、「ITでリアルタイム・ビジネスの実現」という視点からは少し離れてしまいました。でも、残念ながら間違いなくやってくる高齢社会の未来を、素晴らしいものにする、そのためには、ITを駆使して、高齢者の方々が「ビジネス」に直接的に関わり続ける方法を考えることが、とても重要なのだろうと思います。

 それには、この逆転の発想、きっと何かを変えるのではと大いに期待しています。

 次回はまた、ITを駆使して、リアルタイム・ビジネスを変える話を書きます。お楽しみに。

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グローバル経済のなかで地盤沈下の進む日本。再びIT先進国として飛躍するためには、ITをビジネスの武器とする発想が必要だ。ビジネスは現場が肝心。現場の意思決定のスピードアップなど現場力向上に先端ITをどう生かしていけばよいか、IT業界のフロントランナーがわかりやすく解説する。

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