経営×ソーシャル
ソーシャルメディア進化論2016
【第10回】 2012年7月31日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役]

【福岡俊弘氏×武田隆氏対談】(前編)
「源義経」と「初音ミク」の共通項が
日本の企業を元気にする!?

日本から生まれた日本的なインターネットサービスといわれて、ニコニコ動画と答える人は少なくないだろう。いまや一般会員登録者数2000万人以上にのぼる一大コンテンツだ。
「ニコニコ動画のおもしろみは、昔の村芝居のように演じる側と観る側との掛け合いが成立しているところにある」と語るのは、『週刊アスキー』編集長等を歴任し、現在ではラジオパーソナリティーとしての顔も持つ株式会社アスキー・メディアワークスの福岡俊弘氏。日本が得意とする創作の連鎖のメカニズムをひもといていくと、ボーカロイド「初音ミク」がなぜあれほど大きな存在になりえたのかが見えてくる。

雑誌が未来を提示する時代は終わり…

福岡俊弘(ふくおか・としひろ)
1957年生。89年アスキー入社。92年よりパソコン情報誌『EYE・COM』編集長。97 年より『週刊アスキー』編集長。ほかに2つの雑誌の創刊にも携わる。TBSラジオ 『デジ虫』のパーソナリティー、『森本毅郎のスタンバイ』コメンテーターを各3年務めるなど、ラジオパーソナリティーとしての顔も。2011年には、初音ミク初めての海外コンサートとなる『MIKUNOPOLIS』の運営ディレクターを務める。 現在、株式会社アスキー・メディアワークスCGM編集部部長。

福岡:僕はずっと雑誌『週刊アスキー』の編集に関わってきましたが、雑誌などのメディアがおもしろいものを見つけてきて未来を提示するという時代は終わりましたね。

武田:たしか『CAPE-X(ケイプエックス)』も福岡さんが編集されていましたよね。当時では唯一、和製『ワイアード』のような位置づけの絶妙な雑誌でした。

 当時、学生だった僕が作成した「松竹百年映画祭」のホームページを『CAPE-X』が掲載してくれて……。それが、雑誌に自分の関係したものが載るという初めての経験だったんです。とても興奮したし、嬉しかった。学生起業のきっかけになりました。

福岡:『CAPE-X』。わずか10カ月で廃刊になりましたが(笑)。

武田:売れる本が「良い本」というわけではないですよ(笑)。『CAPE-X』以外にも、あのころはカッコいい雑誌がたくさんありました。『ワイアード』とか『インターネットマガジン』とか。インターネットも、当初は雑誌によって紹介されるホットなトピックでしたね。

福岡:はい。そんな時代もありました。1995年くらいですね。ところが、パソコン誌が最も売れた時期というのは2001~2003年なんです。ということは、このころまでは、雑誌はどうにか情報のアンテナとしての役割を担えていたということだと思います。この後、多くの人の情報源はインターネットに移っていきました。

武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役]

日本大学芸術学部にてメディア美学者武邑光裕氏に師事。1996年、学生ベンチャーとして起業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。花王、カゴメ、ベネッセなど業界トップの会社から評価を得て、累計300社のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア (矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリン支局、大阪支局開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、第6刷のロングセラーに。JFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」の司会進行役を務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


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