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7月25日 18時0分
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「日本再生戦略」〜不要な政策と必要な政策〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・7月24日の日経新聞に、以下のような記事が掲載されている。「民主党は来年度予算案の編成作業で党の関与を強めていく。8月の各府省による概算要求から事前審査の対象とし、成長戦略の柱である環境・エネルギーや医療・介護、農業分野などを重視」。これに続いて、(1)次期衆院選を控え政治家が歳出拡大の圧力を強め、そして(2)多くの政治家が予算編成に口をだす自民党時代に戻った、ことなどが解説されている。

・この記事は予算編成を行う当局への取材(or情報提供)をもとに書かれており、当局から政治へのけん制の意味もあると推察される。そうした面はあるがいずれにしても、東日本震災後に2つの増税スキームが即座に決まり政府予算(税金)のパイを増やした後に、その使い道を巡る動きが活発化しているようだ。政官が一体となって増税政策に邁進し、その帰結として、権益確保に懸命なヒト達が勢力を強めているということだろうか。

・水面下で政府予算獲得の動きが強まっている一つの原因は、日経記事にもあるとおり、今月はじめに原案が固まった「日本再生戦略」において、環境、医療、農業などの産業強化・雇用創出による日本再生が唱えられたことがある。具体的には、これらの産業に対して、補助金や公的金融からの融資・出資などの政策が挙げられている。この一環で「災害に強い国土構築」という理由によるインフラ投資も、メニューに含まれている。

・これらの政策がどの程度実現するかは今後の政治状況次第だが、そもそも日本のような成熟した経済で、産業育成のために政府資金を使うことが経済全体の成長につながる可能性は低い。多くのメニューは不要な政策だろう。成長産業が勃興し拡大するには、政府の目利きによる補助金投入や公的金融の融資ではなく、「適正なルール・規制の構築」と「市場競争の導入」で十分である。その産業が大きな需要を持っていれば、民間のマネーが産業に流れるしビジネスも自然に拡大するからである。

・政府が配慮すべき点は新規産業がスムーズに育つために、民間による努力が実を結ぶ正常な経済状態・環境を整えることだろう。このためのオーソドックスな対応は、金融・財政政策などの日本経済全体の安定化策である。具体的には「日本再生戦略」の中にも含まれている、「脱デフレ」を通じた正常な経済成長の実現である。

・「日本再生」のために必要な政策として考えるべき点は、(1)脱デフレの最大の責任を負っている日本銀行の政策が十分か、(2)消費増税による景気変動のショックを和らげることができるか、である。これらの点について、「日本再生戦略」をどう評価できるかについては別の機会にご説明したい。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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