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私はたぬきのお父さん(後編)

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第13回・後編】 2012年7月27日
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 今年もまだ、我が家では一度もエアコンを入れていない。

 いい風が吹き抜けて、とても涼しいのだ。それどころか、夜半に窓を開けておくと寒いくらいで、八月も間近だというのに毛布をかけて休むこともある。ほんとなんですよ。

 というような自慢話を前編で書き、前回の中編では我が家に出没する狸さんの話を書いた。たぬき、と呼び捨てで書いたら家内に、違います。たぬきさんです、ときつく注意されたので、狸さんと書かなければならなくなった。

 担当編集者にお願いして、前回の末尾には“狸さん”の写真を載せてもらったが、あんなに愛らしい生き物が毎晩やってくるのだ。しかも、私や家内の手から直に好物のパンを食べる。堪らん。

 というようなことを書いたら、とある方から、以前住んでいた千葉県の中山競馬場近くでも、現在住んでいる新宿区の早稲田近辺でもときどき狸を目撃します。という便りをいただき……、正しくは私の個人サイト『喫茶ポイズン』の全然関係ないところにコメントしてくれたのだが、早稲田の辺りはいそうですね。

 動物が好きな人は私も大好きです。

 ときおり、犬や猫を飼うと家中が毛だらけになるから嫌だ――、というような悲しいことを言う人がいて、すると、そういう人がもし悩みを抱えて抜け毛になったらどうするんだろうとか、自分の赤ちゃんのおしめを替えるのも嫌なのかしら。と思っちゃったりしちゃいます。

 浴室の排水口にちょっとでも毛がたまっただけで奥さんを怒っちゃうのかな~、とか。人とのふれないも、動物とのふれあいも同じなのに。動物の毛なんて、赤ちゃんのよだれと変わらないぜ。

 狸なんてのは……、もとい、狸さんなんてのは本能でしか生きてなくて、でも、狸さんがじっと私を見つめているようなことがあると、この子は私に何を訴えているんだろう。

 なんて考えちゃうんですね。

 犬や猫だって、何かを訴えるかのように私を見つめることがある。私にすれば、犬や猫や狸さんと心を通わせることや、人と心を通わせることに変わりはないと思うのです。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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