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もはや「安くて高品質」でも生き残れない!?
デフレでも売れる商品の“新たな条件”

――第一生命経済研究所・永濱利廣主席エコノミストに聞く

2010年3月2日
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長期化する不況で深刻なデフレに陥っている日本経済。節約志向は強まり、個人消費が縮小するなか、外食・小売り各社は一斉に値下げを敢行している。しかし、消費者は単なる低価格商品にはもう飛びつかず、「安くて高品質」を当然のように求めるようになったため、多くの企業は苦悩していることだろう。さらに、第一生命研究所・永濱利廣主任エコノミストによると、「安くて高品質」以外にもデフレ時代を生き抜くために必要な条件があるという。そんな変化する消費の“新トレンド”とデフレ時代を生き抜く商品の条件を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)

デフレ脱却は来年前半!?
賃金の回復が鍵に

――外食・小売各社の値下げが続いている。このデフレ傾向はいつまで続くのか?

永濱利廣
ながはま・としひろ/第一生命経済研究所調査部主席エコノミスト。1971年生まれ。栃木県出身。95年早稲田大学理工学部卒業、第一生命保険(相)入社。1998年(社)日本経済研究センター出向、2000年第一生命経済研究所経済調査部副主任研究員、2004年同主任エコノミストを経て、2008年より現職。2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。専門は経済統計、マクロ経済の実証分析。景気循環学会幹事、一橋大学商学部、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。

 少なくとも、今から1年半後の来年前半までは続くだろう。

 過去の経験則から見ても、やはり賃金が上昇しなければデフレからは脱却できない。だが、賃金の上昇は、企業業績が改善し、なおかつ労働需給が逼迫してこなければ実現しない。つまり、「雇用の過剰感」がなくならなければ、賃金は上がらないということだ。

 実際、日銀短観でみると、前回の景気の底である2002年1月以降と今回の景気の底とされる09年3月以降の雇用過剰感は、同じような推移を辿っている。2002年の際に賃金が上がり始めたのは、景気が回復し始めてから2年半後だったことを考えると、今回の場合、09年4月から回復しているので、賃金上昇は来年後半となるだろう。したがって、その頃になれば、デフレからようやく脱却できるのではないだろうか。「そこまで順調に景気が回復すれば」という条件つきではあるが。

「失敗したくない」気持ちを掴む
広告戦略とイメージ戦略も重要

――バブル崩壊後の1990年代やデフレ宣言も出された2002年前後にも、デフレが起きている。これまでのデフレと今回の不況によるデフレでは、消費トレンドにどのような違いがあるのだろうか?

 昨年や一昨年の「日経ヒット商品番付」をみると、ユニクロや低価格パソコンがランクインしており、デフレだった10年前と近い結果になっている。だが、ランクインした理由は過去と現在で異なっていることに注目しなければならない。

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